市民農園を借りたきっかけ
もともと市民農園を借りるつもりはありませんでした。きっかけは知り合いの一言です。
その方は市民農園である程度のスペースを確保していて、庭より広い分、収穫量も段違い。話を聞くと「もうネギはスーパーで買っていない」というほどで、収穫のたびに何かしらお裾分けをいただいていました。
その様子を見ているうちに、「庭だけでこのくらいの収穫を目指すのは限界があるな」「市民農園もありかもしれない」と思うようになったのが、借りるきっかけです。
市民農園は「本格的にやりたい人向け」というイメージがあったが、実際は「庭の延長で、もう少し量を増やしたい」というくらいの動機でも十分始められる。
そもそも「空いていない」という現実
市民農園を借りようと思い立って、まず最初にぶつかる壁があります。それが「そもそも空いていない」という現実です。
人気の市民農園は基本的に満杯で、申し込んでもすぐには借りられないケースがほとんど。「よし、今日から始めよう」と思っても、区画が空くのを待つところからスタートすることになります。
市民農園は「思い立ったらすぐ借りられる」ものではない。始めたいと思ったタイミングで、まず申し込みだけでも動いておくのが正解。
キャンセル待ちという抜け道
「空いていないなら諦めるしかないのか」というと、そうでもありません。多くの市民農園ではキャンセル待ちの登録ができます。
私自身、キャンセル待ちを経て区画を借りることができました。しかも前の利用者がしっかり土づくりをしてくれていたおかげで、状態が良い土からスタートできたのはラッキーでした。
体感としては、キャンセル待ちに登録さえしておけば、空きが出たときは比較的スムーズに借りられる印象です。焦らずまずは登録、というのが現実的な進め方だと思います。
「空いていない」で諦めず、キャンセル待ち登録だけは早めにしておく。順番が回ってくれば手続き自体は難しくない。
一番必要なのは道具より「覚悟」
道具や水場の話をする前に、これだけは伝えておきたいことがあります。市民農園で一番大事なのは、道具でも知識でもなく「しっかり管理する責任・やる気・覚悟」だということです。
庭であれば家の中からふと目に入るので、自然と様子を見る習慣ができます。ですが市民農園はわざわざ足を運ばないと状況が分かりません。
「借りたはいいけど、なかなか行けない」という状態になると、後述する草刈りの問題などにもつながり、他の利用者にも迷惑をかけてしまいます。
区画を借りるというのは、単に土地を使う権利を得ることではなく、「定期的に通って管理する」という約束をすることだと感じています。
市民農園は「借りて終わり」ではなく「通い続けられるか」がすべて。申し込む前に、自分が定期的に足を運べる距離・頻度かどうかを一番に考えるべき。
意外と見落としがちな「水場」問題
借りる前に見落としがちなのが、水場の有無です。
私が借りている区画には水場がありません。そのため水やりのたびに、ペットボトルに水を入れて持参する必要があります。庭のように蛇口をひねればすぐ水が出る環境とは違い、これが地味に手間です。
さらに道具についても、庭用の道具は庭に置きっぱなしにできますが、市民農園用にそのまま置きっぱなしにはできません。行くたびに道具を持って行き、また持ち帰る、という往復が発生します。
距離がある場合はこの往復が車移動になります。ただ、畑で使った道具はどうしても土や泥で汚れるため、そのまま車に積み込むわけにはいきません。荷室にレジャーシートやブルーシートを敷いておくなど、汚れ対策をひと工夫しておく必要があります。

水場の有無は、契約前に必ず確認すべきポイント。水場がない場合は「水をどう持っていくか」「道具をどう運ぶか」まで含めて、通う手間をイメージしておいたほうがいい。
最低限そろえたい道具
区画を借りられたら、次は道具の準備です。市民農園は基本的に更地の状態で渡されることが多いため、耕すための道具は必要になります。
とはいえ、最初から完璧に揃えようとしなくても大丈夫です。むしろおすすめなのは、現地に行って、すでに区画を使っている先輩たちが何を使っているかを観察してみること。実際に使われている道具は、その畑の土質や環境に合った「答え」でもあるからです。
私の場合はもともと庭で家庭菜園をしていたので、耕すためのスコップ、長靴、軍手はすでに手元にあり、それだけでスムーズに始めることができました。
そのうえで、隣の方がやっているのを見て「これは便利そうだ」と思ってから揃えたものもあります。
たとえば隣の区画を使っている方は、少し足が悪く、しゃがんで作業するのが難しい様子でした。その方が使っていたのが、柄の長い棒の先に三角形の鉄がついた道具。調べてみると「全鋼 三角ホーS(波刃)木柄 1050mm」(カインズホームで購入しました)というものでした。
早速購入してみたところ、これが想像以上に優れもの。立ったままの姿勢で作業ができ、先端のとがった部分で土を掘り起こし、平らな部分をつかえば土をならすこともできる。
もちろん、草刈りもできます。ひとつで何役もこなせる道具でした。こうした「実際に使っている人を見て知る」道具との出会いは、市民農園ならではの発見だと感じています。
道具の詳細については、別記事で詳しくまとめる予定です。

こちらのサイトからも購入ができるようですね。
道具は最初から完璧を目指さなくていい。まずは自分の手持ちでスタートしつつ、現地で先輩利用者の道具を観察するのが近道。実際に使われているものには、それだけの理由がある。
夏場の草刈りという試練
市民農園を借りて一番大変だったのが、夏場の草刈りです。
夏は生育スピードが尋常ではなく、一週間ほったらかしにするだけで区画が草ぼうぼうになります。しかも厄介なのが、放置している間に雑草から種が飛んでしまうこと。
自分の区画だけの問題では済まず、隣接する他の利用者の区画にまで種が広がり、迷惑をかけてしまう可能性があるのです。
市民農園は共同の場所である以上、自分のペースだけで管理していいわけではない、という点は借りる前に知っておきたいポイントでした。
週1回のペースであれば管理できますが、それ以上間隔が空くと一気に草ぼうぼうになってしまいます。うちはさつまいものような長期栽培の野菜が多いのですが、少し放っておくとつるが隣の区画まで伸びてしまうこともありました。
一度オクラを植えたときは収穫のタイミングを逃してしまい、気づけば巨大化。固くなりすぎて食べられなかったこともあります。
一人で管理するのが負担に感じる場合は、夫婦や子どもを巻き込んで複数人で管理するのもひとつの方法です。とはいえ実際に栽培を始めると、成長が気になって自然と足が向くようになるものです。
夏場は「1週間に1回は必ず様子を見に行く」くらいのペースを覚悟しておく必要がある。放置は自分の区画だけでなく、周囲への迷惑にもつながる。だから、こまめに行くことができないのであれば、借りないほうが良い。
まとめ:借りる前に心構えを
| チェックポイント | 実際どうだったか |
|---|---|
| 空き状況 | ほぼ空いていない。キャンセル待ちが現実的な入口 |
| 借りるまでの手間 | キャンセル待ち登録さえすれば、空き次第で比較的簡単 |
| 一番大事なもの | 道具より「通い続ける覚悟」 |
| 水場 | ない場合も。水と道具の持ち運びが地味に手間 |
| 必要な道具 | 現地で先輩利用者を観察するのが近道 |
| 夏場の管理 | 草刈りの頻度が想像以上。1週間放置は厳禁 |
これから市民農園を検討している方は、まず「キャンセル待ちに登録する」ことから始めてみてください。そして何より、「通い続けられるか」という自分自身に覚悟があるかがとても重要です。

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