スコットランドの名門セルティックFC。アンジェ・ポステコグルー前監督が築き上げた「日本人選手を中心とした強化モデル」は、ブレンダン・ロジャーズ体制下の2026年現在もなお、クラブの根幹を成しています。
しかし、サポーターやサッカーファンの間で常に議論の的となるのが、その「コスト」です。主力選手の相次ぐ契約更新や欧州市場のインフレにより、日本人選手たちの給与水準は以前とは比較にならないほど上昇しています。
本記事では、セルティックの公式財務報告書や欧州の給与データベースを基に、2026年最新の日本人選手「合計年俸」を独自に算出。クラブの台所事情と照らし合わせ、その「真の投資額」を解き明かします。
【結論】2026年時点の日本人選手合計年俸は「約10億6,700万円」
結論から導き出された最新の推計値は、545万ポンド(日本円で約10億6,700万円)です。※1ポンド=200円換算
2021年の「日本人大量獲得期」の合計額(推定約4〜5億円)と比較すると、数年で2倍以上に膨れ上がっています。この背景には、単なる人数の増減だけでなく、古橋亨梧(※2025年に移籍の噂があるものの、本稿では在籍または同格の枠として計算)、旗手怜央、前田大然といった主力組が相次いで「主力級の条件」で契約更新を行ったことが大きく影響しています。
結論の根拠①:財務報告書から読み解くセルティックの「給与ピラミッド」
数字の裏付けとして、まずはセルティックの経営規模を確認します。
- 大本営情報: Celtic PLC Annual Report 2024/2025
- 分析: セルティックの年間人件費総額は、概ね6,000万ポンド(約120億円)前後で推移しています。
欧州サッカーの健全経営の指標(人件費率)に照らし合わせると、セルティックは売上高に対して非常に規律ある給与体系を維持しています。しかし、チャンピオンズリーグ(CL)への常連化に伴い、主力選手の週給上限(給与キャップ)が、かつての「週給2万ポンドの壁」から「週給4万ポンド超え」へとシフトしました。
日本人選手たちは現在、この「給与ピラミッド」の上位25%に集中して位置しており、クラブにとって最大の「給与支払い勢力」となっているのです。
結論の根拠②:独自調査:日本人選手別・年俸データベース(2025/26最新版)
2026年現在の所属選手(および枠)に基づいた、詳細な給与内訳は以下の通りです。
| 選手名 | 推定週給 | 推定年俸(ポンド) | 推定年俸(日本円) | 契約状況 |
| 古橋 亨梧 | 4.5万ポンド | 234万ポンド | 約4.68億円 | チーム最高給クラス |
| 旗手 怜央 | 1.9万ポンド | 80~100万ポンド | 約1.77億円 | 2023年契約更新済 |
| 前田 大然 | 1.8万ポンド | 80~90万ポンド | 約1.8億円 | 主力・走力の評価大 |
| 山田 新 | 1.3万ポンド | 68万ポンド | 約1.36億円 | 2025年夏加入・新たな得点源 |
| 稲村 隼翔 | 1.0万ポンド | 53万ポンド | 約1.06億円 | 期待の若手(現在FC東京へローン中) |
| 合計 | 10.5万ポンド | 545万ポンド | 約10.67億円(※) | — |
(※)基本給のみの合計。ここから独自の「稼働率計算」を行うことで、実質的な支払い額を絞り込みます。
[独自考察] ボーナスを含めた「日本人選手への総投資額」を計算する
単なる基本給の合算では、プロの世界のリアルな数字は見えてきません。セルティックのような「勝つことが当たり前」のクラブでは、インセンティブ(成功報酬)が大きな比重を占めます。
独自の計算式
[基本給の合計] + [勝利・タイトル給(15%)] = 真の投資総額
計算の過程
- 基本給の確定:5選手の合計は 545万ポンド(約10.67億円)
- インセンティブ加算:セルティックは国内タイトル(リーグ・カップ戦)の常連であり、勝利給や優勝ボーナスが厚く設定されています。これらを基本給の15%として算出します。
545万ポンド×0.15 = 81.75万ポンド(約1.6億円)
計算結果
総投資額:626.75万ポンド(約12億2,700万円)
現在、稲村選手がFC東京へ期限付き移籍しており、給与の一部を移籍先が負担している可能性があるため、クラブの実質的な支出は年間約11億円前後に落ち着いていると推測されます。
なぜセルティックは「10億円超」を日本人に投じるのか?
年間10億円以上の給与を日本人選手に支払うことは、一見すると大きなリスクに見えます。しかし、そこには緻密な「経営的合理性」が存在します。
圧倒的な「コスパ」の良さ
同じパフォーマンス(CLで戦えるレベル)を持つ南米や欧州の選手を連れてくる場合、年俸は1.5倍〜2倍(約20億円規模)に跳ね上がります。日本人選手は、その規律正しさと技術に対して、依然として「割安」な市場なのです。
移籍金(売却益)によるリサイクル
セルティックは「安く買って高く売る」クラブです。日本人選手への合計年俸が10億円だとしても、古橋選手や旗手選手を一人売却するだけで、20億〜30億円の移籍金が入ります。つまり、「給与(運営費)」を「売却益(特別利益)」で十分にカバーできるモデルが完成しています。
日本市場という巨大なB2Bメリット
日本人選手が5名以上在籍することで、日本国内での放映権、プレシーズンマッチの開催、スポンサー契約(日本企業との提携)による副収入が発生します。これは他の国籍の選手では代替不可能な「付加価値」です。
セルティック日本人選手の合計年俸まとめ
2026年最新の給与事情をまとめると以下の通りです。
- 日本人選手合計年俸: 約10億6,700万円(ボーナス含む総コストは約12億円規模)
- 特徴: 「格安の戦力」から「クラブを支える高額な主力」へとフェーズが移行。
- 将来予測: 2026年以降は、既存主力の売却と、新たな「年俸3,000万〜5,000万円層」の若手獲得による、給与総額の適正化(リセット)が行われる可能性が高い。
セルティックにとって日本人選手は、もはや「実験的な補強」ではなく、「最も信頼できる投資先」となっています。


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