今、日本のサッカーファンの間で「誰がW杯の1トップに相応しいか」という議論は尽きません。上田綺世の圧倒的なシュート力、古橋亨梧の裏への抜け出し、前田大然の献身的なプレス。それぞれが突出した武器を持つ中、小川航基が急速に評価を高めている理由はどこにあるのでしょうか。
2026年を迎え、小川選手はNECでエースの地位を不動のものにし、年俸・市場価値ともに右肩上がりの推移を見せています。しかし、彼を語る上で本当に重要なのは「数字」そのものではなく、その数字を支える「万能型CFとしての完成度」です。
この記事では、彼がJリーグ時代の「点取り屋」から、欧州で「攻撃を成立させる軸」へとどのように進化したのか。そして2026年、彼が日本代表にとって欠かせない存在になる理由を深掘りしていきます。
NECナイメヘンでの年俸推移と現在の評価
まずは、現実的な「評価の指標」である年俸と市場価値の推移を見てみましょう。
| シーズン | 所属クラブ | 推定年俸 | 市場価値 (Transfermarkt) |
| 2022 | 横浜FC (J2) | 約1,500万円 | 45万ユーロ |
| 2023 | 横浜FC (J1) / NEC | 約3,000万円 | 120万ユーロ |
| 2024-25 | NECナイメヘン | 約6,000万円〜 | 250万ユーロ |
| 2025-26 | NECナイメヘン | 約8,000万円〜 | 300万〜400万ユーロ(予想) |
異例のステップアップと市場価値の跳ね上がり
横浜FCでのJ2得点王を経て、欧州へ渡った小川選手。当初、レンタル移籍という形でのスタートでしたが、NECでの1年目に公式戦2桁得点を記録し、完全移籍を勝ち取りました。
2026年現在、彼の市場価値は250万ユーロ(約4億円)を超え、Jリーグ時代と比較して約5〜8倍に膨れ上がっています。
オランダ中堅クラブのNECにおいて、この価値はチーム内でもトップクラスであり、彼が単なる「助っ人」ではなく、「売却によってクラブに多大な利益をもたらす資産」として評価されている証拠です。
「点取り屋」から「攻撃の軸」へ。Jリーグ時代とは別人となった3つの進化
ここからは、私が試合映像を追い続けて感じた、小川航基の「真の凄み」について解説します。彼は今、Jリーグ時代とは明らかに「違う生き物」になっています。
攻撃の“入口と出口”を担う万能性
Jリーグ時代の小川選手は、ペナルティエリア内で勝負する、いわゆる「典型的な9番」でした。しかしNECでは、その役割が劇的に広がっています。
- 入口としての役割: 自陣からのロングボールを胸トラップで収め、タメを作る。味方の上がりを待って正確な落としを入れる。
- 出口としての役割: 自身が起点となった攻撃を、最終的にゴール前へ飛び込んで仕留める。
この「攻撃の組み立て(入口)」と「フィニッシュ(出口)」の両方に顔を出すプレースタイルは、現代サッカーにおいて最も市場価値が高まる要素です。
“主役感”溢れるメンタリティの成熟
海外でプレーする日本人選手が直面する「言葉の壁」や「文化の違い」。小川選手はこれらをポジティブなエネルギーに変えました。
かつてはプレーに波があり、自信を失いかけていた時期もありました。しかし今の彼は、多少チームが劣勢でもプレーの質が落ちません。
「自分が決めれば勝てる」という絶対的な自信が立ち振る舞いから伝わってきます。この「エースとしての責任感」こそが、彼をひと回り大きな選手にしました。
万能型ゆえの希少性(ストライカー比較)
ここで、他の日本代表CF陣と比較してみましょう。
- 古橋亨梧: 裏抜けのスペシャリスト。ラインブレイクは世界級だが、ポストプレーや高さには制限がある。
- 上田綺世: フィジカルとパンチ力。一振りの破壊力は随一だが、守備や組み立てへの関与に課題が出る時がある。
- 前田大然: スピードとプレス。守備貢献は世界一だが、ゴール前での落ち着きや高さでは小川に譲る。
小川航基の強みは、これらを「すべて80点以上でこなせるバランス」にあります。186cmの長身を活かしたヘディングがあり、裏へ抜けるスピードもあり、ポストプレーも巧み。この「穴のなさ」が、監督にとって計算しやすく、スタメンで使い続けたいと思わせる要因です。



2026年W杯へのロードマップ:上田・古橋との比較で見える「成功の条件」
2026年W杯に向け、小川選手が日本代表の「プランA(第一選択肢)」になるための条件は何でしょうか。
日本代表の2列目を「活かす」力
今の日本代表には、三笘薫、久保建英、鎌田大地、堂安律といった、欧州トップレベルで独力で局面を打開できる2列目が揃っています。
この贅沢なタレント陣を最も活かせるのは、「パスを引き出し、周囲を使いながら、自分も決められる」小川航基のような万能型CFです。彼が前線で基準点となることで、2列目の選手がより自由な位置で前を向くことが可能になります。
5大リーグへのステップアップが年俸を倍増させる
さらなる飛躍のために必要なのは、ブンデスリーガやプレミアリーグ、セリエAといった「5大リーグ」への移籍です。
もし2026年までにドイツやイタリアの中堅以上のクラブへ移籍すれば、年俸は1.5億円〜3億円規模まで跳ね上がるでしょう。万能型CFはどのリーグでも需要があるため、オランダでの活躍を継続すれば、その扉は自ずと開かれます。
まとめ
「小川航基は、もう昔の彼ではない」
この記事を通じて一番伝えたかったのは、彼の進化が単なる「移籍」の結果ではなく、絶え間ない「役割の再定義」の結果であるということです。挫折を味わい、一度は日本代表から遠ざかった彼が、今こうして世界を舞台に価値を証明している姿は、私たちに多くの勇気を与えてくれます。
2026年、ワールドカップのピッチで日の丸を背負い、チームを勝らせるために泥臭く体を張り、そして華麗にネットを揺らす小川航基の姿が目に浮かびます。「小川のどこが凄いの?」と聞かれたら、ぜひ答えてあげてください。
「彼は、日本代表の攻撃を『成立させる』ことができる、今の日本に最も必要なストライカーなんだ」と。これからも彼の一挙手一投足から目が離せません。皆さんも、一緒に彼の「第2の覚醒」を追いかけていきましょう!


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