カスタマーハラスメント(カスハラ)へのメール対応は、顧客と直接対面しない分、冷静かつ適切な対応がしやすい一方で、言葉遣いや内容次第で誤解を招くリスクもあります。以下では、カスハラ対応時に役立つメール作成のポイントを解説します。
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1. 冷静かつ丁寧なトーンを維持する
- カスハラによってこちらがストレスを感じていても、感情的な表現や非難の言葉は絶対に避けることが重要です。
- 常に落ち着いたトーンで、丁寧な言葉遣いを徹底しましょう。
ポイント:
- 敬語や丁寧語を正しく使用する。
- 感謝の言葉やお詫びを適切に盛り込む。
例文:
「ご連絡をいただき誠にありがとうございます。お客様にはご不便をおかけし、心よりお詫び申し上げます。」
2. 事実を簡潔かつ明確に伝える
- 感情論に流されず、事実に基づいた内容を冷静に記載します。
- 相手の要求に対応できない場合は、その理由や背景を具体的に伝えましょう。
ポイント:
- 「何ができて、何ができないのか」を明確に伝える。
- 不可の場合は会社の規定や契約内容を根拠として示す。
例文:
「大変申し訳ございませんが、弊社の規定上、〇〇のご対応はいたしかねます。」
「契約内容に基づき、〇〇はサービス範囲外となっております。何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。」
3. 感謝や共感の姿勢を示す
- 顧客が抱える不満や不安に対し、共感の意を示すフレーズを入れることで、相手の怒りを和らげる効果があります。
- ただし、過度に謝罪を繰り返すと責任を認めたと誤解される恐れがあるため、注意が必要です。
例文:
「お忙しい中、ご連絡をいただきありがとうございます。」
「ご不便をおかけし、誠に申し訳ございません。」
「お客様のお気持ちは十分理解しておりますが、〇〇につきましては対応が難しい状況でございます。」
4. 感情的な表現や曖昧な表現は避ける
- **「絶対」「必ず」といった断定的な表現や、「多分」「おそらく」**といった曖昧な言葉は避けましょう。
- 感情的な表現(例:「困ります」「迷惑です」)も控え、冷静かつ客観的な表現を心がけます。
改善例:
❌「お客様の要求は迷惑です。」
✅「申し訳ございませんが、弊社規定によりご要望にはお応えいたしかねます。」
5. 解決策や代替案を提示する
- 顧客の要求に対応できない場合でも、別の解決策や代替案を提示することで、相手に誠意を示すことができます。
- 顧客満足度を少しでも向上させる意識が重要です。
例文:
「〇〇のご要望にはお応えいたしかねますが、△△でしたらご案内可能でございます。」
「ご不便をおかけしますが、別途〇〇をご利用いただくこともご検討くださいませ。」
6. 社内での確認・共有を徹底する
- カスハラ対応メールはトラブルの再燃を避けるために、必ず上司や関係部署と内容を共有・確認することが大切です。
- 必要に応じて、弁護士や法務部門のアドバイスを受けることも検討しましょう。
7. 記録を残す
- 送信したメールは証拠となるため、必ず記録に残し、保存しておきます。
- 万が一、顧客からクレームや法的措置があった場合の重要な証拠となります。
メール文例:対応できない要求への返信
件名:ご要望についてのご案内
本文:
〇〇様
いつもお世話になっております。
〇〇(会社名)の〇〇(担当者名)でございます。
この度はご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
お客様のご要望について確認させていただきましたが、誠に恐縮ではございますが、弊社の規定および契約内容に基づき、〇〇の対応はいたしかねる状況でございます。
お客様にはご不便をおかけし、大変申し訳ございません。
しかしながら、代替案といたしまして△△のご利用をご検討いただけますと幸いです。
何かご不明な点やご相談がございましたら、お気軽にご連絡くださいませ。
今後とも〇〇(会社名)を何卒よろしくお願い申し上げます。
〇〇(会社名)
〇〇(部署名・担当者名)
電話番号:000-000-0000
メールアドレス:example@example.com
まとめ:メール作成のポイント
- 冷静かつ丁寧なトーンで対応する
- 事実を簡潔に述べ、明確に伝える
- 共感や感謝の姿勢を示し、誠意を持って対応する
- 感情的・曖昧な表現は避ける
- 代替案や解決策を提示する
- 社内での確認を徹底し、記録を残す
メールは相手に冷静に対応できる利点がありますが、言葉選び一つで誤解を生む可能性もあります。事実に基づき、丁寧かつ毅然とした姿勢で対応することが重要です。
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