公務員は市民に対して公平かつ誠実にサービスを提供する立場にありますが、その業務の性質上、カスタマーハラスメント(カスハラ)を受けるケースが少なくありません。理不尽な要求や執拗なクレームへの適切な対応は、公務員としての職務を守り、市民全体への公平性を保つためにも非常に重要です。
以下に、公務員がカスハラ対応時に心得るべきポイントを解説します。
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1. 公平・公正な姿勢を貫く
- 公務員は「すべての市民に対して公平・公正に接する」ことが基本です。
- 一部の理不尽な要求に応えることは、他の市民への不平等を生むため、毅然とした態度で対応します。
心得:
- 「すべての方に平等に対応することが私たちの責務です。」
- ルールや法令に則り、感情に流されない冷静な判断を心がける。
2. 事実に基づき冷静に対応する
- 感情的な対応は避け、事実関係を確認した上で、法令やルールに基づいて対処します。
- 口頭での対応が難しい場合は、書面やメールなど、記録が残る形での対応に切り替えることも検討します。
対応例:
「確認いたしましたが、法令に基づき〇〇は実施できないこととなっております。」
「お申し出の内容については、関係部署に確認の上、改めてご回答いたします。」
3. 理不尽な要求には毅然と対応する
- 過剰な要求や脅迫的な態度に対しては、毅然とした態度で「できないものはできない」と明確に伝えることが大切です。
- 公務員としての責務を超える要求には対応しないことを徹底します。
対応例:
「大変申し訳ございませんが、〇〇に関しては法律上対応ができかねます。」
「ご要望にはお応えいたしかねますので、ご理解いただきますようお願い申し上げます。」
4. ハラスメント行為には適切に警告する
- 暴言や執拗なクレーム、威圧的な態度には、ハラスメントであることを冷静に伝え、改善を求めます。
- 警告しても改善が見られない場合は、対応を打ち切る判断も必要です。
対応例:
「そのような言葉や態度は、業務の妨げになりますのでお控えください。」
「これ以上同じような言動が続く場合は、対応を控えさせていただきます。」
5. 組織全体で対応し、個人で抱え込まない
- カスハラの対応は一人で抱え込まず、上司や関係部署と連携して組織として対応することが重要です。
- ハラスメント事例は必ず記録に残し、上司へ報告・相談する仕組みを徹底します。
心得:
- 個人の判断で解決しようとせず、上司や法務担当者にエスカレーションする。
- 組織全体で対応基準を共有し、支援体制を構築する。
6. 記録を残し、法的措置も視野に入れる
- カスハラが悪質な場合(脅迫、業務妨害、人格否定など)は、証拠を残し、法的措置を視野に入れることも検討します。
- 通話録音、面談記録、文書やメールの保存など、証拠を確実に残しましょう。
対応の流れ:
- ハラスメント内容の詳細を記録(日時、場所、内容、相手の発言など)。
- 上司・法務担当に報告し、対応方針を確認。
- 必要に応じて弁護士や警察と連携し、法的措置を検討。
7. 心身の健康を守る意識を持つ
- カスハラ対応は公務員自身に大きな精神的ストレスを与えます。
- 自己のメンタルケアを意識し、必要に応じて相談窓口や専門機関を活用しましょう。
心得:
- ストレスが蓄積する前に、上司や専門窓口に相談する。
- 同僚やチームと情報共有し、一人で抱え込まない。
具体的なカスハラ対応フレーズ
ケース | 対応フレーズ |
---|---|
法律やルールに反する要求 | 「法律および規定に基づき、対応いたしかねます。」 |
威圧的・脅迫的な態度 | 「そのような言動は業務に支障をきたしますのでお控えください。」 |
同じ要求を繰り返す場合 | 「何度もご案内させていただいておりますが、対応は難しい状況です。」 |
対応の限界を伝える場合 | 「これ以上のご対応はいたしかねますので、ご理解をお願い申し上げます。」 |
まとめ:公務員の心得
- 公平・公正な姿勢を徹底する
- 事実に基づき、冷静に対応する
- 理不尽な要求には毅然とした態度で臨む
- ハラスメント行為には警告し、対応打ち切りも検討する
- 組織全体で対応し、個人で抱え込まない
- 記録を残し、必要に応じて法的措置を検討する
- 自身の心身の健康を守る意識を持つ
公務員は市民との接点が多いため、カスハラ対応は避けて通れない課題です。毅然とした態度で公正・公平に対応しつつ、自分自身を守る姿勢も忘れずに持ち続けましょう。
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