年俸10億円の衝撃と、484日間の沈黙
2024年、イングランドの名門アーセナルとの契約更新で、冨安健洋選手の推定年俸は約10億円(週給約1900万円)にまで跳ね上がりました。日本人DFとしては異例の、まさに「破格」の評価です。
しかし、その後の現実は過酷でした。度重なる怪我により、ピッチで見かける機会は激減。2024年10月を最後に公式戦から遠ざかり、リハビリの月日は実に「484日」に及びました。ネット上では「10億円は高すぎる」「稼働率が低すぎる」といった厳しい声が上がることも少なくありません。
そして2026年2月。冬の移籍市場でオランダのアヤックスへと新天地を求めた冨安選手が、ついにピッチへと帰ってきました。本記事では、彼が手にした「10億円」という数字の妥当性を、単なるデータではなく「プロの仕事論」という視点から深掘りします。
2026年W杯を目前に控えた今、彼が再びその価値を証明するために必要なものとは何なのか。運営者としての独自の視点をお届けします。
アーセナルでの年俸10億円は「妥当」だったのか?
まず、冷静に「10億円」という評価の裏付けを見てみましょう。
市場価値の圧倒的な希少性
現代サッカーにおいて、CB、右SB、左SBの全ポジションを、プレミアリーグの優勝争いレベルでこなせる選手は世界を見渡してもほとんどいません。冨安選手は、対人戦の強さ(デュエル勝率)、ビルドアップの質、そして戦術理解度において、アーセナルのアルテタ監督から「一級品」と評されてきました。
「出れば勝てる」という絶対的安心感
数字で見れば、彼が出場している試合の失点率の低さは顕著です。守備陣に彼が一人入るだけで、チーム全体の安定感が劇的に変わる。ビッグクラブにとって、タイトルを獲るために必要な「守備のマルチロール」に10億円を投じるのは、決して非論理的な判断ではありませんでした。
「稼働率」こそがプロの誇り。私の経験から言えること
ここからが、私がブログ運営者として、そして一人の社会人として最も伝えたい「本質」です。
多くのメディアは「怪我が不運だった」と報じます。しかし、私はあえて厳しい視点を持ちたいと思います。「効率的な成果とは、決められた勤務時間を務めあげてこそ生まれるもの」ではないでしょうか。
仕事人としての評価軸
私たちの仕事でも同じです。どれだけ優秀なスキルを持っていても、重要なプロジェクトの期間中に不在であれば、組織としての成果は最大化されません。サッカー選手もプロである以上、年間を通してピッチに立ち続け、ファンやクラブに対して「稼働率」で責任を果たすことが求められます。
冨安選手の怪我は、彼のプレースタイルの代償でもあります。一歩も引かない激しいデュエル、無理な体勢からのカバーリング。その献身性が彼の価値を作る一方で、自身の身体を蝕んできたのも事実です。
しかし、2026年W杯で日本代表がベスト8、あるいはその先へ進むために必要なのは「奇跡の1試合」を演じる冨安選手ではありません。大会を通じて、全試合のラインナップに名前を連ねる「壊れない冨安健洋」です。
アヤックス移籍に込められた「覚悟」
年俸10億円のアーセナルを離れ(あるいは契約解除を経て)、半年契約でアヤックスという新天地を選んだ背景には、彼自身の「プライド」があると感じます。格式や給与以上に、まずは「プロとしてピッチに立ち続けること」を優先した。この決断こそが、彼が再び「10億の価値」を取り戻すための唯一の道だと私は確信しています。



2026年W杯へ向けて:再び市場価値を上げるための3ステップ
484日ぶりの復帰を果たした今、2026年W杯での成功と、再び世界トップレベルの年俸を勝ち取るために、冨安選手には以下のステップが必要だと考えます。
ステップ1:身体づくりの「パラダイムシフト」
これまでのリハビリ方法やトレーニングを見直し、100%の出力で戦いながらも壊れない身体を再構築すること。アヤックスでの半年間は、その「耐久テスト」の期間となります。
ステップ2:戦術的な「賢さ」のさらなる進化
身体能力だけに頼らない守備、つまりポジショニングやコーチングで未然にピンチを防ぐ「省エネかつ高効率」なプレーへの移行です。ベテランの域に入りつつある今、プレーの質を落とさずに負担を減らす進化が求められます。
ステップ3:日本代表での「絶対的な序列」の奪還
現在、日本代表のCB陣は板倉選手、町田選手ら実力者が台頭し、激戦区となっています。ここで「やはり冨安がいないとダメだ」と思わせる圧倒的なパフォーマンスを短期間で示せるか。W杯本番でリーダーシップを発揮する姿が見たい。
まとめ:冨安健洋の「逆襲」がここから始まる
冨安選手が手にした10億円という数字は、彼がこれまで積み上げてきた努力と、世界が認めた才能の証です。しかし、その数字を「高い」と批判させない唯一の方法は、再びピッチで、しかも「継続的に」その姿を見せること以外にありません。
「しっかり出場してこそプロ」。
この原点に立ち返った冨安選手の表情は、アヤックスでの復帰戦で見せた短い時間の中でも、どこか吹っ切れたような、力強いものでした。484日の空白は、2026年W杯で爆発するための助走期間だった――。そう私たちが振り返れる日が来ることを、心から願っています。
日本が誇る最強の盾、冨安健洋の本当の逆襲は、まだ始まったばかりです。

コメント