守田英正の年俸1.2億円は「世界一の過小評価」か?データに表れない“影の守護神”の真価

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ポルトガル屈指の名門スポルティングCPで中盤のタクトを振るい、日本代表でも「代えのきかない心臓」として君臨する守田英正。彼のプレーを一度でも深く観察したことがある者なら、一つの大きな疑問に突き当たるはずです。

「なぜ、これほどの実力者が年俸1.2億円(推定)に甘んじているのか?」

欧州チャンピオンズリーグ(CL)に出場するレベルのクラブで、これほどまでにチームの勝敗を左右するボランチが、1億円台の年俸でプレーしているという事実は、現代サッカーのバブル化した市場価格から見れば「奇跡的な安さ」であり、同時に「異常な過小評価」であると言わざるを得ません。

本記事では、単なる数字の比較を超えて、なぜ守田英正の価値がこれほどまでに低く見積もられがちなのか、そしてスタッツには決して表れない彼の「真の価値」とは何なのかを、編集者の視点で徹底的に深掘りします。

守田英正、欧州が認める「最高級のボランチ」と「低すぎる年俸」

現在、守田英正がスポルティングで受け取っているとされる年俸は約75万ユーロ(約1.2億円前後)と報じられています。

欧州のトップシーンを見渡せば、CLで決勝トーナメントに進出するようなクラブの主力ボランチは、安くとも200万〜300万ユーロ(約3億〜5億円)が相場です。守田と同等の役割を担うプレミアリーグやラリーガの選手たちに至っては、10億円を超えるケースも珍しくありません。

監督が最も欲しがる「戦術のマスターキー」

スポルティングを指揮した名将ルベン・アモリム(現マンチェスター・ユナイテッド監督)をはじめ、守田を指導したすべての監督が、彼に対して絶大な信頼を寄せています。守備の強度、ビルドアップの質、そして何より戦術理解度の高さ。これら三拍子が揃い、かつ90分間を通して波が極めて少ない。

これほど「計算できる選手」が1.2億円。率直に言って、スポルティングのフロント陣は、世界で最も素晴らしいビジネスを成功させていると言えるでしょう。

なぜ守田は「もっと貰っていい」と言われるのか?

では、なぜこれほどの実力がありながら、年俸という目に見える形での評価が追いついていないのでしょうか。そこには「ポジションの特性」と「クラブの戦略」という二つの壁が存在します。

「地味」という名のフィルター

ボランチというポジション、特に守田のような「バランサー型」は、ゴールやアシストといった分かりやすい数字に絡む機会が限定的です。現代の移籍市場や年俸査定は、どうしてもSNSでの拡散性や派手なスタッツに左右されがちです。

守田がどんなに完璧な守備をしても、それは「失点を防いだ」という目に見えない引き算の貢献であり、三笘薫のドリブルや久保建英のゴールのような足し算の華やかさには欠けるのです。

スポルティングという「賢い」クラブの経営

スポルティングは、選手を安く買い、育てて高く売ることに長けたクラブです。彼らにとって、守田のような「安価で高いパフォーマンスを出し続けるベテラン寄りの選手」は、チームの安定性を保つための最高のコストパフォーマンス物件です。

クラブ側からすれば、あえて年俸を爆発的に上げる動機が薄いという、プロスポーツの残酷な一面も透けて見えます。

「何事もなかったかのように」失点を消す——守田だけの非凡な才能

ここからは、私が守田英正の試合を追い続けて確信した、スタッツには絶対に表れない「真の価値」について語ります。彼が年俸10億円級の選手に匹敵すると断言できる理由は、以下の3つの能力に凝縮されています。

① “未然に消す”ポジショニングの魔術

守田の凄さは、ボールを奪う「前」にあります。 テレビ画面でボールの動きを追っていると気づきにくいのですが、守田は常に「相手が一番通したいパスコース」に立っています。相手のボランチが顔を上げた瞬間、そこには守田がいる。

その結果、相手はパスを断念し、バックパスを選択する。 この「相手に攻撃を諦めさせるポジショニング」は、スタッツ上の「インターセプト」にはカウントされませんが、失点のリスクをゼロにする究極の守備です。

② “画面外から現れる”カバーリング

スポルティングや日本代表の試合で、味方のDFが剥がされ、「万事休すか」と思われた瞬間、どこからともなく背番号5や8がスッと現れてボールを回収していくシーンを何度も目にします。 守田は、味方のミスを予測しています。

「こいつが抜かれたら、ここが空く」というリスクを、味方がミスをする前に察知して動いているのです。 「あ、危ない!」と思った瞬間には、守田が何事もなかったかのようにボールを持って前を向いている。 この「安心感」に値段をつけるなら、1.2億円はあまりに端た金です。

③ “試合の温度”を調整する呼吸のようなパス

守田のパス回しは、時に地味に見えます。しかし、彼はパス一本で「試合の温度」を変えています。 チームが浮き足立っている時は、あえてゆっくりとした横パスでリズムを落ち着かせる。逆に相手のプレスが緩んだ一瞬を見逃さず、急所を突く縦パスを差し込む。

彼のパスは、チームが窒息しないための「呼吸」そのものです。このリズムメイクができる選手は、欧州でも数えるほどしか存在しません。

2026年の運命:レジェンドとしての残留か、5億円のビッグチャレンジか

2026年、守田英正は31歳という、ボランチとして最も円熟味を増す年齢で北中米W杯を迎えます。ここまでの彼のキャリアは、Jリーグでの無名に近い状態から、一段ずつ、自らの足で階段を登ってきた物語です。

その「最後の一段」をどこに置くのか。私は二つの未来を予測します。

シナリオA:スポルティングの象徴として残る道

もし守田がスポルティングに留まる決断をすれば、彼はクラブのレジェンドになります。契約更新により、年俸は2.5億〜3億円程度まで引き上げられるでしょう。

監督からの絶対的な信頼と、慣れ親しんだ戦術。毎年CLで世界のトップと戦える環境。何より「遅咲きの日本人がポルトガルの名門の顔になる」という物語は、金額以上の価値があります。

シナリオB:主要リーグの強豪へのラストチャンス

一方で、彼のような「頭脳型ボランチ」を本気で欲しがるビッグクラブは後を絶ちません。 例えば、アトレティコ・マドリードのシメオネ監督や、イングランドの戦術派クラブ(ブライトンやウェストハムなど)にとって、守田は最高の補強ポイントになります。

31歳という年齢でも、即戦力としての需要は高く、そこでは年俸5億円、あるいはそれ以上の「正当な市場評価」が待っています。

まとめ:守田英正という「究極の職人」を追い続ける幸せ

私たちは今、日本サッカー史上、最も洗練されたボランチの一人の全盛期を目撃しています。

守田英正の年俸が「たった1.2億円」であるという事実は、彼がいかに自分を誇示せず、チームのために自分を消して働いているかの証明でもあります。しかし、私たちは知っています。彼がピッチにいる時といない時では、チームの「体感温度」が全く違うことを。

「派手なプレーをしないことが、最高のプレーである」

このパラドックスを体現する守田の価値は、2026年、世界が再び彼を発見したときに、ようやく数字として追いつくのかもしれません。 私たちがすべきことは、彼の年俸の安さを嘆くことではなく、その「影のスーパープレー」の一つひとつを、見逃さずに称賛し続けることです。

遅咲きの天才が選ぶ、キャリアのフィナーレ。 それがポルトガルの美しい夕景の中にあるのか、あるいはプレミアリーグの激しい雨の中にあるのか。どちらにせよ、守田英正という職人が報われるその日まで、私たちは彼の「呼吸」を追い続けていくべきなのです。

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