【この記事は、現場指導と家庭サポート歴20年超のHIRO★BUが「本当に現場で役立った/悩んだ/救われた」体験だけで書いています。】
「どうせやるなら、見ている人を驚かせたい!」
僕がサッカーを始めたきっかけの一つは、テレビで見たプロ選手の華麗なトリックプレーに憧れたからでした。中学・高校、そして社会人リーグでプレーしてきた中で、実際に“魅せ技”を決めて観客や仲間が沸いた瞬間は、今でも忘れられません。
この記事では、僕自身が試合や練習で体験した10個のトリッキーなテクニックと、それぞれの技にまつわるリアルなエピソードを交えて紹介します。「自分にもできるかな?」と不安な人も、きっと挑戦したくなるはずです!
魅せるサッカー技術の重要性
チームを活気づける華麗なプレー
試合中に繰り広げられる魅せるプレーは、選手の個性を輝かせるだけでなく、チーム全体を鼓舞する原動力になります。例えば、試合の後半、1点を追いかける緊迫した状況で、高校2年生の翔太選手がエラシコを見事に成功させました。
私から試合前に『観客とチームの士気を高めるプレーに挑戦してみよう』とアドバイスを受けた彼は、ディフェンダーを翻弄した瞬間、観客席から大きな歓声が上がるのを感じました。その後、冷静にゴール前にアシストを決め、試合後には『チームの雰囲気が一瞬で変わった』と振り返りました。
観客の熱狂が選手の力になる瞬間
試合でクライフターンを成功させた中学3年生の彩花選手は、初めて挑戦した時には何度も失敗し、「足裏でのコントロールがうまくいかず、毎回ボールを失ってしまうことが悔しかった」と振り返ります。
しかし、毎日基礎練習とイメージトレーニングを繰り返すことで、徐々にスムーズな動きが身につき、ついに試合中に完璧に決められるように。その瞬間、観客の歓声に包まれたスタジアムで自信をつかみ、「練習の積み重ねが大きな成長に繋がる」と実感した彼女は、さらなる高みを目指す意欲を得たのです。

トリッキーなテクニック10選
足裏ロール: 初心者からプロまで使える基本技

僕が指導してきた中で、足裏ロールが“自信のきっかけ”になった選手がいます。中学1年のタクミくん。市大会で初めてこの技に挑戦したものの、何度も失敗してボールを奪われ、ベンチに戻るたびに肩を落としていました。
試合後、彼は僕にぽつりと言いました。
「もうサッカーやめたいかも…」
その言葉に、僕はすぐには返せませんでした。でも、彼の母親から後日こんな話を聞きました。
「家でずっと落ち込んでて…夕飯の時も黙ったままで。『どうしたの?』って聞いたら、『足裏ロール、全部失敗した。もう怖くて使えない』って。だから、『じゃあ、失敗しない方法を一緒に考えようよ』って言ったんです」
その言葉が彼の背中を押したようで、翌週の練習ではタクミくんが自分から僕に声をかけてきました。
「HIRO★コーチ、足裏ロール、もう一回練習したいです。動画も見てきました」
「いいね!じゃあ今日は“相手の重心を見てタイミングをずらす”ってことを意識してみよう。あと、転がす距離も調整してみようか」
僕は彼と1対1のシチュエーションを繰り返しながら、タイミングの“間”をつかむ感覚を教えました。彼は家でも廊下でボールを転がしながら、母と一緒に動きをチェックしていたそうです。
そして迎えた次の公式戦。相手DFが寄せてきた瞬間、タクミくんは落ち着いて足裏でボールを横に転がし、サイドを突破。味方にクロスを上げてアシスト!
ベンチから「ナイス!」の声が飛び、彼は満面の笑みで僕の方を見ました。
試合後、僕は彼に言いました。
「今日の足裏ロール、完璧だったな。あの“間”をつかめたのは、練習の成果だよ」
彼は照れくさそうに笑いながら、「やってよかったです」と一言。
その夜、母親からLINEが届きました。
「タクミが『今日、アシストできた!』って嬉しそうに話してくれました。あの時の悔しさ、無駄じゃなかったですね」
- ボールを片足の足裏で軽く踏む。
- 前方または横方向にゆっくり転がすことで、相手のタイミングを崩す。
- 転がした方向に体を動かしながら突破を図る。

接触を避けつつ相手を誘導する場面、例えばセンターバックの強いプレッシャーを受けた際に足裏ロールでタイミングを崩し、サイドへ突破することで次の攻撃のスペースを確保できます。
ラボーナシュート: 読ませないシュートの極意

僕が指導した中で、ラボーナシュートに挑戦して“自分の殻を破った”選手がいます。高校3年のユウキくん。彼は最後の大会で、どうしても点が欲しい場面で利き足ではない左足側にボールが来てしまい、思い切ってラボーナでシュートを打ちました。
結果は惜しくもポスト直撃。でも、ベンチや観客席から「おぉ!」と歓声が上がり、試合後に先生から「チャレンジ精神が素晴らしい!」と褒められていました。
その日の夜、ユウキくんのお母さんからLINEが届きました。
「試合後、ユウキが『外したけど、やってよかった』って言ってました。実は前日、家で『ラボーナ、やってみたいけど怖い』って言ってたんです。だから『失敗しても、挑戦したってことがすごいよ』って背中を押しました」
実はその前の週、ユウキくんは練習中に僕にこう言っていました。
「HIRO★コーチ、ラボーナって、試合で使ってもいいんですか?」
「もちろん。ただし、“遊び感覚で練習しておく”のが大事。いざという時に自然に出せるようにね」
「じゃあ、家でもやってみます。失敗しても、やってみたいです」
彼はその後、毎日の自主練でラボーナを繰り返し、フォームとバランスを確認しながら感覚を磨いていました。僕も練習中に「軸足の体重の乗せ方」「蹴る瞬間のスイングの角度」など細かくアドバイスを送りました。
そして本番。彼は迷わずラボーナを選択。結果はゴールならずとも、観客の心を動かす一撃でした。
試合後、僕は彼に言いました。
「ユウキ、あのラボーナ、最高だったよ。結果より“やったこと”が価値なんだ」
彼は笑顔で「次は決めます!」と答えてくれました。
- 利き足を後方にクロスさせるようにボールを蹴る準備をする。
- 蹴る足をスイングしてボールを横方向またはゴール方向に飛ばす。
- 身体のバランスを崩さないように軸足にしっかりと体重を乗せる。

ラボーナシュートは特に相手ディフェンダーが自分の正面をふさいでいる状況で効果的です。例えば、素早くパスをつなげたい場面や、体の向きからはシュートが難しそうに見えるシーンで使用すると、相手の意表を突けます。コーナー付近や狭いスペースでも重宝するテクニックです。
レインボーフリック: 観客を魅了する華麗な技

僕が現場で見てきた中で、レインボーフリックが“自信の転機”になった選手がいます。高校2年のリョウくん。最初は「カッコつけ技でしょ」と笑っていた彼が、ある練習試合でこの技に挑戦し、見事に観客を沸かせた瞬間を今でも鮮明に覚えています。
その前の週、彼は僕にこう言いました。
「HIRO★コーチ、レインボーフリックって、試合で使ってもいいんですか?なんか、ふざけてるって思われそうで…」
「ふざけてるかどうかは“使い方”次第だよ。相手の足が出てくるタイミングで一気に仕掛ければ、立派な突破技になる。まずは遊び感覚でやってみよう」
彼はその日から、放課後の自主練で何度もボールを挟み、持ち上げる動作を繰り返していました。でも、なかなかうまくいかず、家でも落ち込んでいたそうです。
母親から後日こんな話を聞きました。
「リョウが『何回やっても失敗する…』って言ってて。だから『失敗してもいいじゃん。成功したら、絶対カッコいいよ』って励ましたんです。そしたら、また練習始めてました」
そして迎えた練習試合。相手DFがしつこくマークしてきた場面で、リョウくんは迷わずレインボーフリックを仕掛けました。ボールが頭上を越え、相手も観客も一瞬固まり、そのままフリーでゴール前へ!
試合後、彼は僕に動画を見せながらニヤニヤして言いました。
「コーチ、これ…見ました?」
「見たよ。最高だった。あのタイミング、完璧だったな」
「クセになりそうです(笑)」
- 両足でボールを挟み、足の外側から内側に持ち上げる準備をする。
- ボールを前方へ頭上を越すようにスナップ動作で持ち上げる。
- 自分でボールを追いかける動きで次のアクションへ移る。

ディフェンダーが間合いを詰めてきた際、両足で挟んだボールを頭上へ持ち上げるタイミングが成功の鍵となります。また、ボールを落とす方向を予測しつつ次の動きに備えることで、狭いスペースでも有効なアクションが可能です。
ドラッグバック: 間合いを取る神業テクニック
僕が現場で指導してきた中で、「間合いの感覚」をつかんだことでプレーが一変した選手がいます。社会人リーグに所属するカズマくん。彼は体格の大きな相手DFに苦戦していて、試合後にこんな言葉を漏らしました。
「もう、ぶつかってくる相手には勝てない気がします…」
その言葉に、僕はすぐにドラッグバックを提案しました。
「じゃあ、“ぶつかる前にかわす”技を覚えよう。ドラッグバックって知ってる?」
「名前は聞いたことありますけど、使ったことはないです」
「じゃあ、明日から一緒に練習しよう。相手の力を利用して、逆を取る感覚を身につけるんだ」
その夜、彼の母親から連絡がありました。
「最近、試合のたびに落ち込んでて…でも、HIRO★コーチが“かわす技”を教えてくれるって聞いて、少し元気が戻ったみたいです」
翌日から、カズマくんは足裏でボールを引く練習を繰り返しました。最初は引きすぎて自分の足に当ててしまったり、バランスを崩したり。でも、僕が「引く強さは“半歩分”を意識して」と伝えると、徐々に安定してきました。
「コーチ、これ…ちょっと感覚つかめてきました!」
「いいぞ!次は“引いた後のボールの置き方”を意識して。次のプレーにつなげるための準備だ」
そして迎えた週末のリーグ戦。相手DFが勢いよく詰めてきた瞬間、カズマくんは冷静にドラッグバックで一歩下がり、スペースを確保。そのまま方向転換してサイドへ展開し、味方のゴールにつながるアシストを決めました。
試合後、彼は僕のところに駆け寄ってきて言いました。
「コーチ、あのドラッグバック、効きました!ぶつかる前にかわすって、こういうことなんですね」
「そうだよ。“間合い”を取れる選手は、どんな相手にも対応できる。今日のプレー、見事だった」
- ボールを足裏で軽く踏み、引く動作で相手から距離を取る。
- 足と一緒に身体を後方へスライドさせるように動かす。
- 引いたボールを再び前方に出しながら方向転換をする。

ドラッグバックは、ディフェンダーが積極的にボールを奪おうとして距離を詰めてきた場面で最も効果的です。この動きにより、瞬時に間合いを取ってプレッシャーを回避できます。
また、引いた後のボールの置き方が重要で、次のプレーへとスムーズにつなぐため、足元のコントロールを意識して練習してください。狭いスペースやゴール近くでも使える、状況を打開する力強い技術です。
エラシコ: 一瞬で相手を翻弄する動き
僕が指導してきた中で、「憧れが本気に変わった瞬間」を見せてくれた選手がいます。高校1年のショウタくん。彼がエラシコに挑戦し始めたのは、先輩が試合でこの技を使って相手を抜いたのを見て「自分もやりたい!」と目を輝かせたのがきっかけでした。
でも、最初はタイミングが合わず、何度もボールを奪われていました。練習後、彼は僕に言いました。
「コーチ、エラシコって難しいですね…自分にはまだ早いかも」
「早いかどうかじゃなくて、“やりたい気持ち”があるなら、今が始めどきだよ。まずは動きの流れを分解して、家でも練習してみよう」
その言葉をきっかけに、彼は家の廊下で毎日10分ずつ練習を始めました。母親から後日こんな話を聞きました。
「ショウタ、最近鏡の前で足の動きをチェックしてるんです。『今日はちょっとスムーズだった!』って嬉しそうに言ってました」
練習では、僕が「アウトサイドで押し出す動きは“強めに”、インサイドで引き戻す動きは“素早く”」とアドバイス。彼は鏡を使ってバランスを確認しながら、少しずつ動きを磨いていきました。
そして迎えた公式戦。相手DFが距離を詰めてきた瞬間、ショウタくんはエラシコを仕掛け、見事に逆を突いて突破!ベンチから「ナイス!」の声が飛び、彼は振り返って僕にガッツポーズ。
試合後、彼は笑顔で言いました。
「コーチ、やっと決まりました!あの時の先輩みたいにできて、めっちゃ気持ちよかったです」
「よくやった。“憧れ”を“自分の技”に変えた瞬間だね」
- ボールをアウトサイドを使って外側へ押し出すような動作をする。
- すぐにインサイドを使い内側へ引き戻し、ディフェンダーのタイミングを外す。
- 1度の足を踏み出す動作で2つの動作(アウト→イン)を連続して行う。

外側へのフェイントを強調して、ディフェンダーを引き付けることで、内側への引き戻しがより鋭く感じられます。練習では鏡を使って身体の動きのバランスをチェックしたり、スムーズな切り返しを身につけると、試合でも効果的に活用できます。
ヒールフリック: かかとで決める華麗な連携技
僕が現場で指導してきた中で、「連携の質が一段上がった」と感じた瞬間をくれた選手がいます。社会人リーグに所属するユウトくん。彼は狭いスペースでのパス回しに苦戦していて、ある日練習後にこう言いました。
「コーチ、ゴール前での連携がうまくいかないんです。パスを受けても、次の動きが詰まっちゃって…」
「じゃあ、“流す技”を覚えよう。ヒールフリックって使ったことある?」
「かかとで触るやつですよね?試合では怖くて使ったことないです」
「じゃあ、まずは練習で“遊び感覚”でやってみよう。力加減とタイミングがつかめれば、自然と試合でも出せるようになるよ」
その週末、彼の母親から連絡がありました。
「ユウト、最近リビングでボールを転がして、かかとで触る練習してるんです。『次は決めたい』って言ってて、ちょっと楽しそうです」
練習では、僕が「パスが来る方向をしっかり見て、足元の準備を早めにしておくこと」「かかとで触る瞬間の角度と力加減を意識すること」と伝えました。ユウトくんは繰り返し練習しながら、少しずつ感覚をつかんでいきました。
そして迎えたリーグ戦。ゴール前で味方からのパスが来た瞬間、彼は迷わずかかとでボールを流し、後ろから走り込んだ味方がシュート!見事にゴールが決まりました。
試合後、彼は僕のところに駆け寄ってきて言いました。
「コーチ、ヒールフリック、決まりました!あの一瞬で流せたの、めっちゃ気持ちよかったです」
「よくやった。あれは“連携の質”を上げるプレーだった。次も狙っていこう」
- 味方からのパスをしっかり視認し、足元の準備をする。
- かかとを使ってボールに軽く触れ、目標の方向に微調整する。
- 転がるボールに合わせて素早くポジショニングし、次のプレーにつなげる。

ヒールフリックは、狭いスペースでのスムーズな連携プレーに欠かせない技術です。コツは、力加減と接触する瞬間の正確さを意識しながら、状況に応じてプレーすること。練習で感覚をつかんでいきましょう!
クライフターン: 伝説技で差をつけろ!
中学2年のハヤトくん。彼がクライフターンに挑戦し始めたのは、先輩から「この技を覚えると一気に変わるぞ」と言われたのがきっかけでした。
でも、最初は回転が遅くてボールを取られてばかり。練習後、彼は僕に言いました。
「HIRO★コーチ、クライフターンって難しいですね…回ってる間にボールが離れちゃって」
「それは“回転のスピード”と“ボールの引き方”のバランスがまだ合ってないだけ。動画を撮って、自分の動きを見直してみよう。意外と“自分のクセ”が見えてくるよ」
その夜、彼の母親から連絡がありました。
「ハヤト、スマホで自分の動きを撮って何度も見返してました。『ここで足が遅れてる』とか言いながら、鏡の前で回転の練習してましたよ」
僕は翌日の練習で「ボールを引く時の足裏のタッチは“スライドするように”、回転は“腰から先に動かす”イメージで」とアドバイス。彼はその言葉をヒントに、少しずつ動きがスムーズになっていきました。
そして迎えた公式戦。相手DFがパスコースをふさいできた瞬間、ハヤトくんはクライフターンを仕掛け、見事に方向転換して突破!相手も味方も一瞬「何が起きた?」という顔をしていて、彼は心の中でガッツポーズ。
試合後、彼は僕に笑顔で言いました。
「コーチ、やっと決まりました!あの一瞬で抜けた感じ、クセになりそうです」
「よくやった。あれは“技術”と“工夫”が融合した瞬間だったね」
- ボールを足裏で止め、背後に引く準備をする。
- 背後に引きながら身体を180度回転させる。
- ボールを引いた勢いを利用して進行方向を一瞬で変える。

パスの選択肢を探しつつ相手をかわしたい場面でこの技を活用することで、プレーの幅が広がります。特に重要なのは、ボールを引く際の足裏の微妙なタッチと身体の回転速度を調整することです。キックフェイントをいれてから行うとより効果的です。
プッシュ・プルターン: 攻防の要、方向転換技術
高校1年のレンくん。彼は縦への突破が苦手で、練習後にこんな言葉を漏らしました。
「コーチ、狭いところで詰まると、どうしてもボールを失っちゃいます…」
「じゃあ、“方向転換で相手を外す”技を覚えよう。プッシュ・プルターンって知ってる?」
「名前は聞いたことあるけど、やったことはないです」
「よし、明日から一緒に練習しよう。“押す→引く→切り替え”のリズムがつかめれば、突破の幅が広がるよ」
その夜、彼の母親から連絡がありました。
「レン、家の廊下でボールを前に押しては引いて…って繰り返してました。『コーチに教えてもらった技、試合で使いたい』って言ってて、ちょっと嬉しそうでした」
練習では、僕が「押す時は“軽く”、引く時は“素早く”、方向転換は“ワンステップで”」とアドバイス。レンくんは最初ぎこちない動きでしたが、リズムを意識することで徐々にスムーズになっていきました。
そして迎えた公式戦。相手DFが縦のコースを完全にふさいできた場面で、レンくんはプッシュ・プルターンを仕掛け、見事に方向転換して突破!相手を一瞬で置き去りにし、味方のゴールにつながるパスを通しました。
試合後、彼は僕に笑顔で言いました。
「コーチ、あの技、決まりました!“押して引いて切り替える”って、こんなに効くんですね」
「よくやった。あれは“狭いスペースを広げる技術”だった。次もどんどん使っていこう」
- ボールを軽く前方に押し出す。
- 相手がそのボールに食いついてきたら、すぐに足裏でボールを引き戻す。
- 引き戻したタイミングで方向を切り替える。

この技術は、特に縦方向の動きが抑えられた場面や狭いスペースでのプレー中に役立ちます。練習では、ボールを引き戻した後の動作を素早くスムーズにすることを心がけましょう。引き戻してからはワンステップで行うイメージです。
360ターン: 相手を撹乱する高速回転
僕が現場で指導してきた中で、「憧れを技に変えた」瞬間を見せてくれた選手がいます。中学1年のリクくん。彼が360ターン(マルセイユルーレット)に挑戦し始めたのは、小学生の頃にテレビでジダンのプレーを見て「自分もやってみたい!」と目を輝かせたのがきっかけでした。
最初は家のリビングで何度も練習していたそうですが、目が回って転びそうになったり、ボールが思った方向に転がらなかったりと、うまくいかない日々が続いていました。
ある日、彼の母親からこんな話を聞きました。
「リク、テレビの前で何度もくるくる回ってて(笑)。『ジダンみたいに回りたいけど、難しい…』って言ってました。でも、『失敗してもいいから、やってみよう』って声をかけたら、また練習始めてました」
練習では、僕が「回転中の視線は“次のプレーの方向”を意識すること」「軸足でしっかりバランスを取ること」「ボールは“逆方向に転がしてから回る”とフェイントになる」とアドバイス。リクくんはその言葉をヒントに、少しずつ動きが安定していきました。
そして迎えた中学の練習試合。相手DFが勢いよく詰めてきた場面で、リクくんは360ターンを仕掛け、見事に方向転換して突破!観客席から「おぉ!」と歓声が上がり、彼は振り返って僕に笑顔を見せてくれました。
試合後、彼は僕に言いました。
「コーチ、あのターン、決まりました!ジダンみたいに回れた気がします!」
「よくやった。あれは“憧れを技に変えた”瞬間だったね。次は試合の流れの中でもっと自然に出せるようにしていこう」
- ボールを足元でコントロールした状態で体の回転を開始する。
- 軸足でバランスを取りながら、もう片方の足でボールを転がす。
- 回転後、自然な体勢で次のプレーに移行する。

相手が勢い余って近づきすぎる場面では、この技を使って方向を変えることで一瞬で抜き去ることができます。抜きたい方向とは逆方向にボールをコントロールしてから回転することによって、それがフェイントになり抜きやすくなります。
ダブルタッチ: 瞬間の閃きで相手を突破
僕が現場で指導してきた中で、「シンプルな技が最大の武器になる」と実感させてくれた選手がいます。高校2年のケンタくん。彼は1対1の場面でなかなか突破できず、練習後にこう言いました。
「コーチ、フェイントを入れても相手に読まれてしまって…」
「じゃあ、“シンプルだけど鋭い”技を使ってみよう。ダブルタッチってやったことある?」
「ありますけど、試合では怖くて…」
「大丈夫。“間”さえつかめれば、これほど抜きやすい技はないよ。まずは練習で感覚を磨こう」
その夜、彼の母親から連絡がありました。
「ケンタ、家の廊下でボールを左右にタッチする練習してました。『コーチに教えてもらった技、次の試合で使いたい』って言ってて、ちょっと楽しそうでした」
練習では、僕が「1回目のタッチで相手を引きつけて、2回目で逆を突く。その“間”を自分のリズムで見つけること」とアドバイス。ケンタくんは何度も繰り返しながら、自分のタイミングを探っていました。
そして迎えた高校県大会。残り1分、同点の場面で彼は相手DFと1対1に。迷わずダブルタッチを仕掛け、見事に突破してラストパス!味方がゴールを決め、チーム全員が歓喜に包まれました。
試合後、彼は僕に笑顔で言いました。
「コーチ、あの技、決まりました!“間”って、本当に大事なんですね」
「よくやった。あれは“閃き”と“準備”が重なった瞬間だった。次もその感覚を信じていこう」
- ボールを片足でタッチして相手を引きつける。
- すかさずもう片方の足で方向を変えるようにタッチする。
- スピーディーに体も動かしつつ相手を抜き去る。
サッカーのトリック技術で輝きを放つためには、基礎体力も大切です。こちらの記事もチェックして、自信を持ってトリックプレーに挑みましょう。
体験談
エラシコを覚えたての頃、練習試合で何度もチャレンジしましたが、ほとんど失敗してボールを奪われてばかり。「やっぱり自分には無理かも…」と落ち込んだことも。でも、家で鏡の前で動きをチェックしたり、友達と一緒にコツを教え合ったりしているうちに、少しずつ成功率が上がってきました。
そして公式戦で初めてエラシコが決まった時、観客席から大きな拍手が起き、チームメイトも「すごい!」と褒めてくれました。この経験が「失敗してもやり続ければ必ず成長できる」と思えるきっかけになりました。
まとめ
サッカーの“魅せ技”は、単なるテクニック以上の価値があります。僕自身、何度も失敗しながら練習を重ね、試合で決まった時の達成感や仲間と分かち合う喜びをたくさん味わってきました。
「自分には無理かも」と思っている人も、まずは一つの技からチャレンジしてみてください。失敗も含めて、すべてが自分の成長につながります。あなたもぜひ、観客や仲間を驚かせる“自分だけのプレー”を見つけてください!
このページは、“現場で何度も壁にぶつかり、子どもや家族と一緒に悩みながら乗り越えた”からこそ書けた本音記事です。
「同じ悩みでふさぎ込んだ方も、必ず前に進めます」-そんな“救い”や“きっかけ”づくりとして役立つことを願っています。


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