この記事は、小学校低学年のサッカーチームを指導する初心者コーチを対象にしています。子どもたちが楽しく成長するためには、シンプルでポジティブな声掛けが鍵となります。
経験の差がある低学年では、コーチの声掛け次第で全員が積極的にプレーし、基本スキルやサッカーの楽しさを自然に学べます。この記事では、試合や練習で使える簡単な声掛け例をまとめました。声掛けを工夫して、チームの雰囲気を明るくしてみましょう!

ボールを奪いに行こう!
守備の意識を高めるためには、「ボールを奪う楽しさ」を伝えることが重要です。例えば、ある小学3年生の試合で、守備に自信がない選手がいました。この選手には「相手の動きを先に読むんだよ」と具体的なアドバイスを行い、「まずは一歩だけ相手に近づいてみて」と段階的な指示を与えました。
その結果、次の試合で見事に相手のドリブルをカットし、チーム全員から拍手を受けました。このような成功体験は子どもたちの自信と積極性を育む絶好の機会となります。

小さいうちからボールを取りに行く!という意識をさせることが本当に重要です。
広いスペースへ進もう!
低学年の子どもたちはボールに集中しすぎて広いスペースを意識しないことが多いです。そこで、練習中に「空いている場所を探して走る鬼ごっこ」を取り入れました。このゲームでは、子どもたちが自然と空いている場所を見る習慣が身につきます。
実際、ある試合で鬼ごっこの成果が現れ、選手たちは広いスペースへ積極的に進む動きを見せました。このような練習方法は攻撃の幅を広げるだけでなく、子どもたちの状況判断力も向上させます。
具体的なスペース活用の練習法はこちらの記事がおすすめ。
ゴールを狙おう!
シュートへの挑戦は成功体験につながります。「ゴールが見えたらシュートしてみよう!」「届く距離で狙ってみて!」と声掛けすると自信につながります。
シュート力アップのコツはこちらで詳しく解説しています。
すぐに取り返そう!
攻守の切り替えはサッカーの基本です。「ボールを取られたらすぐに取り返そう!」と伝えましょう。
小学2年生の試合中、相手チームにボールを奪われた後、選手たちが足を止めてしまう場面が続きました。この状況を改善するため、以下の取り組みを行いました:
この成功を通じて、選手たちは攻守の切り替えに自信を持ち、次の試合でも積極的なプレーを見せてくれました。
みんなで攻めて、守ろう!
チーム全員が関与する意識を育てる言葉です。「仲間と一緒に動こう」「みんなで攻めて、みんなで守ろう!」と声掛けすることで協力する楽しさが伝わります。
自分で挑戦しよう!
ドリブルの練習には「まず自分で仕掛けてみて!」という声掛けが効果的です。
ボールがきたはいいけど、どうしたら良いかわからず、適当に蹴ってしまう子が私のチームにいました。きっと、同じような経験をしたことはあると思いますが、そんなときは取られても良いからまずは自分でドリブルすることを意識させました。
ドリブル練習の具体例はこちらの記事を参考にしてください。
周りを見て動こう!
状況判断力を養うためには、「周りをよく見て動こう」と伝えてボールや相手の動きを見ながらポジションを取ることを促すことが重要です。
ポジティブな言葉で応援
ある試合中、一人の選手がミスしてうつむいてしまいました。その時、キャプテンが「大丈夫!次で挽回しよう!」と声掛けしました。この言葉によって元気づけられた選手は再び試合に集中し、最終的には決定的なアシストを成功させました。
試合後、「みんなが応援してくれたから頑張れた!」という言葉が聞かれ、チーム内にはポジティブな声掛け文化が育ちました。このようなエピソードは、子どもたちの自信とやる気を引き出す重要性を示しています。

小さいうちからなんでも良いので試合中に声をかけあう雰囲気を作れると良いですね。高学年になってから、出せない子は本当に声がだせません。本当に小さいうちからです!
試合前の声掛けのコツはこちらで詳しく解説しています。
仲間と協力しよう
ドリブルが難しい場面では、「仲間と協力してプレーしよう」と伝えることでチームワークへの理解が深まります。
攻守の切り替えは早く!
試合中に流れを掴むためには、「次のプレーへ素早く動こう」と声掛けし、テンポアップにつなげます。
低学年のうちは、細かい戦術よりも「楽しんでプレーすること」「積極的にボールに関わること」が最も大切です。小さいうちから意識させることで、高学年でも生きてくることが多くあるので、小さいうちはコーチの声掛けって本当に重要です。シンプルでわかりやすい言葉で声をかけながら、少しずつサッカーの理解を深めていきましょう。

具体的な指示ではなく、動きのきっかけになるような声掛けを意識しましょう!具体的な指示ばかりしていると、大人でもよくある「指示待ち人間」になってしまいます。
NGワードを避けよう!
低学年の子どもたちには、自信と積極性を育む声掛けが求められます。一方で、以下のような否定的な言葉は避けるべきです。これらは子どものやる気や成長意欲を損なう原因となります。

どうしてミスするんだ?
ある練習中、一人の子どもがミスについて責められる場面がありました。その際、「どうしてそんなミスするんだ?」ではなく、「今のプレーで難しかったところは何だったかな?」と問いかけることで子ども自身が問題点に気づき、自ら改善策を考える姿勢が見られました。
このようなポジティブな声掛けは、自主性ある成長につながります。
パスだけ出せばいいんだ!
子どもたちはまず自分で考えて動く力を身につける必要があります。「近くの味方と連携してみよう」と伝えることで、自主性とチームワーク両方を育てます。
「ダメだ!」「違う!」
否定的な言葉は萎縮につながります。代わりに、「次回はこうしてみよう」と改善策やヒントを与えることで前向きな指導になります
指示通りだけやればいい!
指示待ちではなく主体性あるプレーが理想です。「自分で考えてプレーしてみよう」と促し、自立した選手へと導きましょう。

とにかく、否定的な言葉は絶対NGです。やる気をなくしてしまったり、指示しないと動かなくなったりしてこどもたちの成長を妨げる原因になります。コーチも感情的になる場面があると思いますが、一度冷静にこの声掛けは大丈夫かな?と頭の中で考えてから声掛けしましょう!
ポジティブな指導の実践例はこちらで詳しく紹介しています。
まとめ
小学校低学年向けサッカー指導では、「楽しむこと」と「基本スキル」を身につけることが最優先です。この年代では、一人ひとり異なる経験値や能力があります。そのため、指導者はシンプルかつポジティブな声掛けによって子どもたち全員が試合や練習に積極的に関わる環境づくりを目指しましょう。
また、否定的な言葉ではなく前向きなアプローチで子どもの意欲や自信を引き出す工夫が必要です。「魔法のことば」を活用しながら、一人ひとりがサッカーへの興味と楽しさを感じられる場面づくりに努めてください。これによって、将来的にも主体性ある選手として成長する基盤となります。

サッカーを始めたばかりの子と経験のある子が一緒にプレーする場面ってよくありますが、声掛け次第でみんなが楽しめる良い試合になりますよね。保護者の方から見て、どんな雰囲気が理想だと思いますか?

そうですね。以前いろいろなチームの試合を見たことがあるんですが、中には声掛けが厳しいというか、怒鳴るような場面もあって、子どもたちが萎縮してしまっているように感じることがありました。
やっぱり、のびのびとプレーできる雰囲気が一番だと思います。子どもたちが自然に声を掛け合って、一緒に楽しめている姿を見るのが理想ですね。

なるほど、保護者の方の視点からもそう感じられるんですね。私たちコーチも、ポジティブな声掛けで子どもたちの良い部分を伸ばしていくことを心掛けています。
サッカーを通じて自信を持ったり、仲間と助け合う楽しさを感じられるような環境をこれからも作っていきたいですね。
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