40代やそれ以降でサッカーを始める方にとって、新しいスポーツへの挑戦は楽しい発見と同時に、特有の課題も伴うものです。また、そうした初心者を初めて指導するコーチにとっても、楽しさと効果を両立する方法を見つけることは重要です。
この記事では、初心者が試合で活躍するために必要なスキルや、具体的な練習メニューをわかりやすく解説します。効率よく基礎を身につけ、プレーの幅を広げるためのヒントが満載です!
40代サッカーの特徴と課題
社会人リーグの試合では、経験者と初心者が入り混じった独特の空気感があります。その中で、初心者が少しでもチームの役に立つためには何が求められるのでしょうか?相談してきたお父さんが試合に臨む姿を見ながら、私は「スタミナ」の重要性を再確認しました。

40代になると自然と体力も落ちてきて、維持するためにも地道にトレーニングをしなければなりません。40代の試合は走れるか、走れないかで大きく変わります。
試合中の状況から見える特徴
初心者が最優先で鍛えるべき技術
相談者である40代のパパをコーチングする際に、最初に痛感したのは「体力不足」でした。試合に参加しても試合中盤まではなんとか動けても、後半になると足が止まり、チームメイトから「もっと動いて!」と言われることもしばしば。
そこで、まずはスタミナ強化を優先し、次に基本的なボールコントロール技術を磨くことにしました。以下は、私自身も実践して効果を実感したスキル習得のポイントです。
これらのスキルは初心者でも比較的短期間で向上が見込めます。40代初心者パパも3か月後には「後半でもよく動けているね」とチームメイトから褒められるようになりました。
スタミナ向上の実践トレーニング
サッカー特有の「緩急のある動き」に対応するため、有酸素運動と無酸素運動を組み合わせたトレーニングを提案しました。私自身の社会人リーグでの経験を踏まえた内容ですが、相談者のパパもこれを実践し、体力向上に成功しました。
試合を意識したインターバル練習

- ウォームアップ:軽いランニングで体をほぐす。練習の準備として最適です。
- 20m全力ダッシュ:瞬時にトップスピードに達する練習。試合中のスプリントに役立ちます。
- ゆっくりランニング:心拍を整えながらリカバリー力を養います。
- サイドステップ5往復:横方向への動きを強化。ケガ防止にもつながる重要な練習です。
- ジャンプ5回:ヘディングを意識した動作で、試合中の空中戦に備えます。
→ これを 1kmからスタートし、徐々に距離を伸ばす
トレーニング成功のポイント
試合時間を想定した練習
試合終盤でも動けるスタミナを養うためには、試合時間を基準にしたトレーニングが欠かせません。特に、疲労を感じやすい40代初心者の場合、練習時間を計画的に設定することが効果的です。
こうしたトレーニングを積み重ねることで、試合中のペースを安定させるだけでなく、終盤の粘り強さを発揮できるようになります。トレーニングが進むと、負荷が軽く感じられる場面も増え、さらなる自信につながります。
全力ダッシュの後に少し息を整えたら、心の中で『もう一回だけ頑張ろう』と自分に言い聞かせる習慣をつけてみてください。私自身も社会人リーグ時代、この繰り返しで試合終盤の粘り強さが鍛えられました。
特に後半のラストスプリントでは、この気持ちの積み重ねがチームを救うプレーにつながりますよ。
小学6年生のH君は、試合終盤で体力が尽きてしまうことに悩んでいました。彼のお父さんが自身の社会人リーグ経験からインターバルトレーニングをアレンジし、『20mダッシュ+サイドステップ』を親子で取り組むことにしました。
H君は最初は『疲れてもう無理!』と言っていましたが、お父さんが励まし続けた結果、数週間後には試合終盤でも力強く走れるようになり、チームメイトから『最後まで動けるね!』と褒められる場面も増えました。
役割を果たしました。最後まで動き続けたH君の姿は、チーム全体の士気を高める結果となりました。

最近の練習の成果が試合で少しずつ出てきているみたいですね!自分で感じた変化や手応えはありますか?

はい、以前は後半になるとほとんど動けなくなっていましたが、最近では最後まで走り続けられるようになりました。体力がついたおかげで、チームのカバーに入る余裕も少しできました。

それは素晴らしいですね!特にインターバルトレーニングを継続した成果が大きいと思いますよ。あとは、浮き球の練習も頑張っていましたが、試合中のプレーに生かせた場面はありましたか?

ありました!試合終盤でも最後まで全力で走ることができて、守備から攻撃への切り替えで大事な場面に何度も関わることができました。特に、後半のカウンターで全速力で駆け上がり、チームメイトが『よく走ったね!』と褒めてくれたときは、体力トレーニングの成果を実感しました!
練習で最後まで走り切るためのスタミナ強化法を詳しく知りたい方は、スタミナ養成トレーニングをご覧ください。
壁当てで基本練習

「壁当て」練習は効率的にスキルを磨ける方法として、初心者や経験者におすすめです。以下の3つのスキルが同時に鍛えられる点が魅力です。
ある40代の初心者パパは、小学生の息子と一緒に壁当て練習を行うことで、親子で楽しい時間を過ごしながら技術を磨きました。例えば、息子が先にボールを正確に蹴れるようになった際には、『負けられない!』と感じたお父さんがさらに集中して練習を続けたそうです。
その結果、トラップの精度が向上し、試合中でも冷静さを保てるようになり、『親子で成長できた』と語っています。
私自身も小さい頃、この練習に非常に助けられました。家から徒歩5分の公園に高さ2mほどのコンクリート壁があり、毎日のようにそこで「止める」「蹴る」「浮き球処理」を鍛えていました。
例えば、壁から返ってきたボールを足元で止めようとして大きく弾き、公園内の茂みに転がり込んだことがあります。その経験から、「ボールの勢いを吸収する感覚」を意識するようになり、トラップ精度が飛躍的に向上しました。
ボールタッチやトラップ技術をさらに深く学びたい方は、トラップ技術の基本をチェックしてください。
基本の練習方法
壁に向かってボールを蹴り、トラップしてまた蹴る。この基本動作を応用しながらトレーニングを進めていきます。壁との距離は最初は2mくらいで、慣れてきたら徐々に長くしましょう。
安定したトラップの基本

壁当て練習では、足元の正確なトラップだけでなく、次の動作を素早くするための姿勢も意識してみてください。少し膝を曲げて重心を低く保つことで、次の動き出しがスムーズになります。
私も試合中、こうした姿勢を身につけたことで、相手のプレスにも慌てずに対応できるようになりました。この小さな意識が試合での余裕を生み出します!
浮き球トラップ上達の秘訣

大人のサッカーでは、浮き球やこぼれ球に対応する場面が多く、初心者には難しく感じる場合があります。ただし、反復練習を通じて確実に上達が見込めます。
浮き球トラップを重点的に練習することで、試合中の安定感を高めましょう。
首振りで視野を広げる方法
私が教えたパパはバスケ経験者でしたので、バスケットボールのコートは狭く、首を振らなくても視野が確保しやすいですが、サッカーのコートは広く、プレイヤーの人数もバスケットボールの倍以上です。そのため、首を振る動作を習慣づけることが重要 です。これは小学生でも言えることです。

首振りで視野を広げるためには、公園内でランドマーク(例:滑り台やベンチ)を活用した練習がおすすめです。
例えば、ある初心者プレーヤーは毎朝公園で『滑り台→大きな木→ベンチ』といった順番で視線を移動させる練習を行い、その結果試合中でも素早く周囲の状況を把握できるようになりました。この方法は特に広いサッカーコートでは効果的で、『視野が広がったことでプレーがスムーズになった』と実感しています。
中の状況把握力が大きく向上しました。手軽で続けやすいので、ぜひ試してみてください。
小学生の息子と社会人リーグを楽しむお父さんが親子で首を振る練習を始め、遊具や目立つランドマークを活用して楽しく取り組みました。以下の成果が得られました。
親子で声を掛け合いながら続けた練習が、楽しさと技術向上につながりました。遊び心を交えた取り組みが、効果的な練習習慣を生み出した例です。
トラップから次の動作
- トラップしたボールを 右、左、正面 のいずれかに落とし、そのまま 2~3mドリブルする。
指定した位置にボールを落とす
- 立ち位置の周りに 6個の円 を書き、トラップしたボールを指定の円に落とす。
- そのまま 2~3mドリブルする。

ダイレクトキック練習
ボールが地面に落ちないように繰り返す。壁から 2mほどの距離 で、トラップせずに ダイレクトでボールを蹴る。
トラップ後に動き出す練習では、ボールを落とす位置だけでなく、次の動きの第一歩の方向と強さを意識すると効果的です。
私も試合中に初動が遅れることが課題だった時期がありましたが、練習で『次の一歩を素早く力強く出す』ことを繰り返すことで、相手のディフェンスをかわしやすくなりました。この最初の一歩が、試合での差を生み出します!
小学4年生のK君は、壁当て練習を毎日10分間取り入れることで以下の成果を得ました。
このような日々の積み重ねが、試合での安定したパフォーマンスにつながり、さらなる成長を後押ししました。

壁当て練習、継続しているみたいですね!試合中にどんな場面で役立ったと思いますか?

はい、続けてよかったです。試合中に浮き球を処理する場面があったんですが、以前より冷静にトラップできて、次のパスにスムーズにつなげることができました。チームメイトにも『安定感出てきたね』って言われました!

それは素晴らしいですね!壁当てで浮き球の感覚をつかむ練習をしてきた成果ですね。首を振る動作も意識していましたが、視野の広がりを実感する場面はありましたか?

ありました!トラップの後に首を振るクセがついてきたおかげで、周りの状況をすぐ把握できました。次にどこにパスを出すか考える余裕が生まれたので、試合中も落ち着いてプレーできるようになったと思います!
競り合いに勝つ身体の使い方
サッカーの競り合いでは、相手との身体のぶつかり合いが欠かせません。特にバスケットボール経験者にとっては、サッカー独特の接触プレーに戸惑うことが多いです。
バスケットボールでは接触がファウルとみなされるため、リバウンド時の軽い押し合いに留まる一方、サッカーではより直接的で激しい身体のぶつかり合いが求められます。慣れるためには、以下のような練習が効果的です。
これらのトレーニングを地道に続けることで、競り合いに勝つ身体の使い方が自然と身についていきます。最初は戸惑うかもしれませんが、時間をかけて慣れることで、試合中の競り合いでも効果を発揮できるでしょう。
1対1の競り合い練習では、力任せではなく技術的な身体操作が鍵となります。例えば、小学5年生のY君は最初は相手に押されてしまうことが多かったですが、『相手の動きを観察してタイミングよく身体を入れる』というポイントに集中した結果、競り合いで勝つ場面が増えました。
彼は『力ではなくタイミングだ!』と気づき、自信を持ってプレーできるようになりました。
小学5年生のY君は、競り合いで相手に負けることが悩みでした。しかし、以下のアプローチを取り入れることでスキルを向上させました。
その結果、Y君は1対1での勝率が大幅に向上し、守備の要としてチームに貢献。「1対1で勝てる!」という自信を手に入れ、プレーにも積極性が生まれました。

この前の練習では、競り合いでの身体の使い方がだいぶ上手くなってきましたね。試合中、相手との接触プレーで手応えを感じた場面はありましたか?

そうですね、特にゴール前での競り合いが楽になりました。相手が押してきても、落ち着いて身体を使ってボールを守ることができて、自分のペースでパスを出せたんです。『ここで負けないぞ!』という感覚が身についてきた気がします。

それは大きな進歩ですね!競り合いで勝てるとチーム全体の信頼感も高まります。あとは、守備の場面での身体の使い方にも意識が向き始めているように見えましたが、そのあたりはどう感じていますか?

守備のときにも、自分の身体を相手との間にしっかり入れる意識ができました。以前はただボールを追いかけてしまっていたんですが、今は『相手の動きを止める』ためのポジショニングを考えられるようになりました。それができるようになると、プレーに余裕が出てきた感じがします!
1対1の競り合い練習について詳しく知りたい場合は、勝負強さを身につける練習メニューを参考にしてみてください。
注意点
練習場所選びには注意が必要です。40代の初心者パパは、自宅近くの小学校グラウンドで練習しようと考えていました。しかし管理人さんに確認したところ、「外部利用は禁止」と言われてしまいました。その経験から、市営グラウンドや公園など事前許可不要な場所へ移行しました。
また、小学生チームのお父さん仲間と相談し、少年団練習後の時間帯に壁当て練習スペースを借りられるよう調整したこともあります。このような工夫によって安心して練習できる環境づくりが重要だと思います。
まとめ
今回紹介した練習方法は、初心者向けでありながら 試合で必要な基礎スキルを確実に向上させる ものです。地味に感じるかもしれませんが、続けることで着実に力がついていきます。そして、それは小学生にも必要なスキルですので、積極的に練習に取り入れましょう!

コーチ、先日の試合でチームメイトから『すごくよく動くね』って褒められました!後半になっても動けたのが自分でも驚きで、これまでやってきたトレーニングが効いているって実感しました。

それは素晴らしいですね!試合中の動きが変わると、他のプレーヤーにも大きな影響を与えますよ。トレーニングの成果が出ている証拠ですね。特にスタミナがつくと、試合終盤の重要な局面での対応力がグッと上がりますから。

実際、ゴール前での競り合いでも、体力が残っていたおかげで一歩リードできたんです。『止める・蹴る』の練習も役立っていて、浮き球をうまく処理できたときは自分でも感動しました。
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