「サッカーってこんなに楽しいんだ!」と子どもたちが心から感じることが、小学1年生や2年生の指導では最も大切です。私が初めて小学1年生のチームを指導したとき、最初はボールに触れることすら怖がる子どももいました。
しかし、遊び感覚の練習メニューを取り入れたことで、彼らの目が輝き始め、「もっとやりたい!」という声が自然と上がるようになりました。この経験から、楽しさを重視した指導の重要性を実感しました。
この記事では、簡単に取り組める低学年向けの練習法を具体的に解説します。楽しみながら技術を伸ばし、子どもたちが自信を持ってプレーできる指導のヒントをお届けします。
小学生低学年の練習法を解説
サッカー基礎!ボールコントロール練習
低学年の練習では、個々のスキルを伸ばすことが非常に重要です。まず優先すべきはボールコントロール、特にドリブルです。このスキルはサッカーの全ての基本となり、ボールを自由に操る力が試合での選択肢を大きく広げてくれます。
ドリブル練習では「ボールに触る時間」を最大化するだけでなく、リズム感を取り入れることで楽しさを増します。小学1年生のチームに音楽に合わせてドリブルを行う練習を取り入れました。アップテンポな音楽に合わせた軽快なドリブル練習は、子どもたちの集中力を高め、自然とリズム感とタッチの精度が向上しました。
この方法により、サッカーに親しむ感覚がさらに深まります。

低学年の練習では、「ボールと友達になる」ことをテーマにしています。例えば、私が指導した小学1年生のチームでは、「ボールは君たちの親友だよ!」と伝えながら、自由にボールを転がす遊びからスタートしました。
その中で、「このボールはロボットみたいだね」と名前をつけて楽しむ子どもも現れました。このような環境作りによって、自然とドリブルスキルが身につき、「もっと上手くなりたい!」という意欲へとつながりました。
ボールタッチを身に着けるための練習法はこちらで解説しています。
ボールへの執着心を育てる方法
ボールへの執着心を育てるには、ボールを奪った後の次のプレーを考える練習を取り入れることが効果的です。例えば、小学2年生のチームで1対1のボール取り練習を行い、制限時間内にボールを守りながら次にどの方向へ進むべきかを考える課題を加えました。
また、「相手を抜くにはどのルートがベストか?」と問いかけることで、子どもたちがどのようにプレーすれば良いかを考えられるようになります。こうした練習を続けたことで、子どもたちはプレーへの積極性だけでなく、試合中にどのように動くべきかを考える判断力を身につけることができました。

このような取り組みを通じて、子どもたちはボールに対する執着心を育み、プレーの質を向上させることができます。
競争要素を取り入れることで、子どもたちの集中力と積極性がぐんと高まります。ある日、小学2年生向けに「宝物ゲーム」という練習メニューを行いました。このゲームでは、自分のボール(お宝)を守りながら相手から奪うというルールです。
「このボールは君のお宝だから絶対守ろうね!」と声をかけると、一人ひとりが真剣な表情でプレーするようになりました。特に普段控えめだった男の子が、「もっと守れるようになりたい!」と言い出した瞬間には、大きな成長を感じました。
勝負強さが身につく練習メニューはこちらでも解説しています。
勝利への執着心を伸ばすコツ
勝利への執着心は、試合中の集中力や積極性を引き出します。「絶対に勝ちたい」という気持ちは、小さな競争経験の積み重ねによって育まれます。例えば、練習メニューに「ゴールを奪う」ミニゲームや「時間内にできるだけボールをキープする」チャレンジを組み込むことで、自然と勝利への意識を高めることができます。
こうした意識は、単に技術だけでなく、精神面での成長を促します。負けたくないという気持ちは、仲間と共にゴールを目指すチームワークにも良い影響を与えます。

練習中に「勝ったらヒーローになれる!」と声をかけると、子どもたちは目を輝かせて挑戦します。たとえ負けた子にも「次は君がヒーローだ!」と励ますと、どの子も前向きな気持ちで練習に取り組むようになります。こうした声かけがチーム全体のモチベーションアップにつながりました。
チームで行う練習メニューはこちらでも解説しています。
単調なドリブル練習は子どもたちに飽きられがちです。そこで効果的なのが「色ドリブル」という練習方法です。カラフルなマーカーをランダムに配置し、「赤から青へドリブルしたら次は黄色!」といった指示を出すことで、以下のような効果を得られます。
練習の具体例として、色ドリブルを取り入れた際、子どもたちは楽しみながらも集中力を発揮し、「次はもっと速く!」と自主的に挑戦する姿が見られました。このように色と動きを連動させることで、効果的かつ楽しいスキルアップが可能です。
体幹を鍛えて安定したプレーを!
体幹とは?サッカーに必要な理由
体幹とは、胸や背中、お腹を含む体の中心部に位置する筋肉を指します。サッカーでは、体幹がしっかりしていることでバランス感覚が向上し、プレーが安定します。例えば、相手に当たられても倒れにくくなる、急な方向転換に対応しやすくなるといったメリットがあります。
さらに、体幹トレーニングは低学年のうちから習慣づけておくべき重要な要素です。これによりバランス感覚が向上し、プレーの安定感が増すだけでなく、ケガのリスクも軽減できます。
小学生向け体幹トレーニング例
低学年の子どもたちに対しては、筋トレのような厳しいトレーニングではなく、遊びを交えた体幹トレーニングを取り入れるのが適切です。
例えば、「片足立ちでふらつかないように立つ」練習や「動物ウォーク」といったアプローチが効果的です。遊びの要素を取り入れることで、子どもたちは楽しみながら体幹を鍛えることができます。

動物ウォークで楽しく体幹強化!
低学年向けには遊び心満載の体幹トレーニングがおすすめです。私が実施した「動物ウォーク」では、「カニさん歩き」や「クマさん歩き」でゴールまで進むという目標を設定しました。「クマさんになってゴールまで行こう!」と言うと、子どもたちは大喜びで挑戦し始めました。
最初はふらついていた子どもたちも回数を重ねるごとに安定して歩けるようになり、「これなら試合でも倒れないぞ!」という自信につながりました。
小学2年生の練習で、「ジグザグに動きながら倒れずに進む」ウォークを取り入れました。最初はふらふらして苦戦していた子どもたちですが、「みんなでお城(ゴール)まで倒れずにたどり着こう!」という目標を設定すると、自然と協力し合う姿勢が生まれました。
また、終わった後に「これ、何に役立つの?」と聞かれたので「サッカーで相手に当たられても倒れない力がつくよ!」と説明すると、みんな「もう一回やる!」と目を輝かせて取り組んでいました。
低学年向け体幹トレーニングでは、遊び心を取り入れつつ、試合での活用を意識させることが重要です。たとえば、「動物ウォーク」を行う際に、ゴールまでのルートに障害物を配置して進む練習を導入します。
これにより、バランス力と敏捷性が向上し、実際の試合で急な方向転換や接触プレーに適応する力を養うことができます。「ゴールまで転ばずに進む」を目標にすることで、楽しみながら体幹を鍛えられます。
サッカーで育む心と連携力の重要性
チームワークが上手くなる練習法
サッカーは個人プレーだけでなく、仲間との協力が不可欠なチームスポーツです。特に低学年では、チームでの連携プレーを通じて「一緒にゴールを目指すことの楽しさ」を学ぶことが重要です。
練習内容の例:パス練習
ポジティブな声掛けを行うことで、子どもたちの自信とチームの一体感を高める効果があります。
チームワーク向上には全員参加型のチャレンジがおすすめです。ある日、小学2年生チームで「全員連携チャレンジ」を行いました。この練習では全員が一度ずつボールに触れてからシュートするルールです。
最初はパスミスが多かったものの、「次はもっと声を掛け合おう!」と子どもたち自身で改善策を話し合う姿勢が見られました。そして最後には「やった!みんなでゴールできた!」という達成感あふれる笑顔を見ることができました。

自己成長を感じられる練習の秘訣
「できなかったことができるようになる」という経験は、低学年の子どもたちにとって最も貴重な自己成長のきっかけとなります。この喜びが彼らに大きな自信を与え、次のステップに進む意欲を育みます。
特に、この年代の子どもたちにとっては、最初の成功体験が重要です。例えば、「最初はボールを上手く扱えなかったけれど、練習を通じてゴールに向かえるようになった」という具体的な目標を設定すると、成長の実感が得られます。
コーチとしては、小さな成功でも積極的に褒め、認めることが大切です。「上手になったね!」「すごく努力しているのが伝わるよ!」といった言葉が、子どもたちのモチベーションを飛躍的に高めます。
ある練習で、子どもたちに「お宝探しドリブル」を提案しました。「お宝探しドリブル」は、グラウンドに隠された「お宝」(カラフルな小物やボール)をドリブルしながら集めるゲーム形式の練習です。この方法により、子どもたちは自然と練習に集中し、楽しくドリブルスキルを磨きました。
この練習は、ゲーム感覚で楽しみながらスキルを向上させることができ、特に低学年の子どもたちに非常に効果的な方法です。
サッカーを好きになる工夫
サッカーへの愛情は楽しい練習から育まれます。私が行った「カラフルゾーンドリブル」は、その代表的な例です。この練習では赤・青・黄色などカラフルなゾーンへ素早くドリブルして移動する課題を設定しました。
「次は黄色ゾーンだよ!」という指示に子どもたちは夢中になり、「もっと速く移動できるかな?」と自主的に挑戦する姿勢が見られました。このような遊び心ある練習は技術向上だけでなく、サッカーそのものへの興味・関心にもつながります。
ある練習で「カラフルゾーンドリブル」を導入しました。「カラフルゾーンドリブル」は、グラウンドに赤・青・黄色のゾーンを作り、コーチが指定した色のゾーンへ素早くドリブルして移動するゲーム形式の練習です。この方法により、子どもたちは楽しみながら瞬時の判断力とスキルを養うことができました。
最初は戸惑う子どももいましたが、「次はどの色に行けるかな?」と声をかけることで、彼らは集中して積極的に取り組むようになりました。練習中は「今度はもっと速く移動するぞ!」と自主的に挑戦を続ける姿が見られ、全員が楽しみながらドリブルのスキルを磨きました。
体験談:低学年に効果的な練習法
実際に私が指導した小学2年生の練習では、単調なドリブル練習に飽きていた子どもたちに「色ドリブル」や「動物ウォーク」を導入しました。結果、子どもたちの集中力とやる気が蘇り、「次はもっと速くやりたい!」「これ楽しいね!」と笑顔があふれました。
特に「動物ウォーク」をチーム戦にアレンジすると、子どもたちは夢中になり、自然と体幹の強化ができました。練習後には、「これ、試合でどう使えるの?」という質問が出るようになり、練習の成果を実感している姿が見られました。
また、試合中に自信を持ってボールをコントロールし、ゴールに向かう姿勢が以前よりも積極的になったのも印象的です。こうした楽しみながら成長する環境を作ることで、技術や気持ちの面での大きな向上が期待できます。
低学年がサッカーを楽しく学ぶまとめ
小学生低学年向けサッカー指導では、「楽しみながら成長する」という環境作りが鍵となります。例えば、「お宝探しドリブル」や「動物ウォーク」のようなゲーム感覚の練習メニューによって、子どもたちは笑顔でスキルアップしていきます。
また、小さな成功体験や仲間との協力プレーによって自信と意欲が育まれます。これから指導される方々にはぜひ、この年代特有の柔軟さや好奇心を活かした指導法に挑戦していただきたいと思います。
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