初心者コーチの皆さんへ。ボールタッチ練習は、子どもたちがサッカーの基礎を身につける重要なステップです。この記事では、簡単に実践できる練習メニューを紹介します。ボールに慣れる基本練習から、楽しみながら技術を伸ばせる方法まで、わかりやすく解説しています。
子どもたちがサッカーを好きになれる環境づくりを一緒に目指しましょう!

目的に合わせた個人練習を取り入れたいけど、どんなことをすれば良いの?
初心者コーチの指導ポイントについて詳しく知りたい方は、コーチの心構えをご覧ください。
初心者向けボールタッチ練習
ボールタッチはサッカーの基礎中の基礎です。この練習では、ボールと足が一体化する感覚を養うことが目的です。例えば、『両足交互タッチ』では、最初はゆっくりしたペースで始め、慣れてきたらテンポを上げてみましょう。
コツは、足裏全体ではなくつま先付近でボールをタッチすることです。これにより、試合中でも素早く動かせる感覚が身につきます。
必見!基本練習3選
基本的なボールタッチには、『両足交互タッチ』『シザース』『ステップオーバー』があります。それぞれ以下のようなポイントに気をつけて練習しましょう。
両足交互タッチ練習
- ボールを足元において立つ
- 右足の足裏でボールの上部分をタッチする
- ぴょんと飛ぶ感じで次は左足の足裏でボールの上部分をタッチする
- これを繰り返して、なるべく早く行う
ボールを足裏で交互にタッチする際、リズム感を意識してください。例えば、『1, 2, 3』と声に出して数えながら行うとテンポが安定します。また、試合中のプレッシャーを想定して素早く動かす練習も効果的です。

小学生のA君は、最初『両足交互タッチ』の練習でリズムが取れず苦戦していました。しかし、「1, 2, 3」と声に出してテンポを意識する方法を取り入れたところ、徐々にスムーズにできるようになりました。
この練習では、足裏全体ではなくつま先付近でボールをタッチすることが重要です。これにより試合中でも素早く動かせる感覚が身につきます。
シザースでフェイント強化
- ボールを足元において立つ
- 右足でまたぐ場合はボールの左側からボールに触らないように1周させる。
- 次は左足でボールの右側からボールに触らないように1周させる。
- これを右足左足、交互に行う。内側から外側にまたぐ
フェイントとして使う場合、相手ディフェンダーとの距離感が重要です。実際の試合では、相手との間合いを見極めながら使うことで効果が倍増します。

小学5年生のT君は、シザース練習で相手ディフェンダーとの間合いがわからず困っていました。そこで、コーンを相手役として配置し、フェイントのタイミングを繰り返し練習する方法を提案しました。
この結果、試合中に相手をかわす成功率が飛躍的に向上。「試合で使えた!」と自信を深めたT君の姿が印象的でした。
ステップオーバーで突破力
- ボールを足元において立つ
- 右足でまたぐ場合はボールの右側(外側)からボールに触らないようにまたぐ。
- 次は左足でボールの左側(外側)からボールに触らないようにまたぐ。
- これを右足左足、交互に行う。
ボールをまたぐ際は、大きく体重移動することで相手にフェイントが伝わりやすくなります。最初は鏡の前でフォームを確認しながら練習すると良いでしょう。

上記3つは基本中の基本です。足裏でボールをコントロールしたり、相手を抜くときにシザースでフェイントをしてから抜くとか、ステップオーバーでボールを蹴ると見せかけてから抜くとかの実践につながる基本的な動きを学べます。

この練習に慣れてくると、足先だけでちょこちょことこなしてしまう子もいます。しかし、試合では相手がいることを忘れてはいけません。実戦を想定し、相手をかわすイメージを持ちながら、大きくダイナミックに動くことを意識して練習しましょう。
ボールタッチの練習では「実戦を意識する」ことが大切です。小学5年生の選手が、シザースの使いどころに悩んでいたため、試合を想定したコーンを使った練習を導入しました。
試合を想定した動きは、練習効果を一段と高めます。
小学4年生のK君は、普段の練習で十分なスペースが確保できないことに悩んでいました。そこで、「狭いスペースでのボールタッチ練習」を提案しました。
この経験から、どんな環境でも工夫次第でスキルを磨けることを実感しました。
動きのあるボールタッチ
ボールを止めた状態で慣れてきたら、ボールを動かしながらシザースやステップオーバーを練習します。
動かしながらステップ練習
- ボールをまたがないほうの足先で2回ちょんちょんして進ませる
- 3回目にステップオーバーでボールをまたぐ
- またいだ足のアウトサイド(足の小指側)で外側に逃げるようにボールをコントロールする
- これを右足左足、交互に行う。
動かしながらシザース練習
- ボールをまたぐほうの足先で2回ちょんちょんして進ませる
- 3回目にちょんちょんした足でボールをまたぐ
- またいだ足とは反対の足のアウトサイド(足の小指側)で外側に逃げるようにボールをコントロールする
- これを右足左足、交互に行う。

最初は、慣れるまで何もない場所で行ったり来たりするだけでも構いません。しかし、動きに慣れてきたら、コーンを置いたり、相手(ボールを奪いにいかない役)をつけたりすることで、より実践的な練習になります。
試合を意識した状況を作ることで、実際のプレーにつながる動きが身につきやすくなります。
ボールを動かしながらステップオーバーやシザースを行う際、動作を滑らかにすることが重要です。
練習の中でテンポを整え、実戦を意識することで動きの質を大きく向上させます。
小学5年生のT君は、動きながら「ステップオーバー」を練習する際にバランスを崩すことが多く、次の動作に繋がらない課題を抱えていました。そこで、鏡の前で自分の動きを確認しながら練習する方法を提案しました。
「鏡で練習したおかげで体の動きが分かった!」と自信を深めたT君の成功体験となりました。
2つマーカーを使ったボールタッチ
マーカー2つで行う『8の字ドリブル』は、初心者から上級者まで取り組める万能な練習です。この方法では、以下のバリエーションを試してみてください。
アレンジ・レベルアップ方法

実際に試してみて、特に効果的だった練習メニューを紹介します。グリッドを作り、さまざまな色のマーカーを並べます。コーチが指示した色のマーカーの周りを1周したら、すぐに次の色が指示されるので、選手はそのたびに素早く反応しなければなりません。
これを繰り返すことで、ボールタッチの向上だけでなく、プレーをしながら人の声に耳を傾ける力や、指示を瞬時に理解して動く反射神経も鍛えられます。実際にやってみると、子どもたちはゲーム感覚で楽しみながら集中して取り組んでいました。
マーカー2つだけでも多彩なトレーニングが可能です。例えば、小学3年生のC君は、「赤マーカー→青マーカー」とコーチから指示される色マーカー練習に取り組みました。この方法では瞬時の判断力と反射神経が鍛えられます。
試合中でも「指示されたプレーにすぐ反応できた!」と喜び、自信につながりました。
基本は『リフティング』

これは説明はそんなに必要ないと思いますのでやり方は割愛します。
ただ以下のことを気をつけてやるとさらに良いと思います。
リフティングはボールに慣れるという目的もありますが、ボールの芯をとらえる。という目的もあります。ちゃんと芯を蹴らないと真上にボールはあがりません。芯をとらえられるようになると、強いシュートが打てたり、正確なトラップができるようになります。

何回できたかも重要ですが、どんな部位でもできることが大事です。いろいろな部位でリフティングができるようになると、あらゆる角度からのボールに対応することができるようになります。
リフティングでは、ボールの芯をとらえることが鍵です。以前、小学6年生の選手に、まず1回蹴って手でキャッチする練習を教え、正確なタイミングを身につけさせました。
その後、インサイドやアウトサイドなど部位を限定したリフティングを取り入れ、難しいボールにも対応できるスキルを養いました。この練習で感覚を磨いた選手は、試合での難しいパスをスムーズにコントロールし、次のプレーに繋げることができるようになりました。リフティングは地道な練習が大切です!
リフティングでは「挑戦型ルール」を取り入れると子どもたちも楽しく続けられます。小学5年生のH君は、「リフティング1回目はインサイド、2回目はアウトサイド」といったルールを自分で設定して楽しみながら技術向上に取り組みました。
その結果、高く浮いたボールもスムーズにトラップできるようになり、自信につながりました。
正確なトラップを身につけたいならトラップの基本と実践を参考にしてください。
アウトサイドで緩急練習
アウトサイドコントロールは試合で非常に有効なスキルです。特に緩急をつけた動きは相手ディフェンダーへの効果的なアプローチとなります。以下のような練習メニューがおすすめです。
アウトアウトインの活用
ボールをアウトサイドで2回進ませた後、インサイドで方向転換します。この動きを繰り返すことで、スムーズな切り返し技術が身につきます。
アウトサイドの急ターンで突破力を強化
アウトサイドで直線的に進んだ後、自分のタイミングで素早く方向転換します。この際、大きく体重移動することがポイントです。

フェイントからのターン練習
- 抜きたい方向とは逆にボールをまたがずに大きく一歩だす
- 一歩だした逆の足のアウトサイドを使って、外にターンする
- これを何度か左右交互に行う
アレンジ・レベルアップ方法
アウトサイドコントロールで緩急をつけることは、ディフェンス突破の鍵です。小学6年生の選手を指導していた際、動きが単調で相手に読まれることが課題でした。そこで、「アウトアウトイン」の練習をテンポ良く繰り返し、タイミングを変える練習を加えました。
また、「急なターン」で大きく体重移動する意識を徹底したところ、試合中に相手を一瞬で置き去りにする突破が増加。選手自身も「緩急で相手の動きが止まるのがわかる」と自信を持てるようになりました。緩急を生かした練習は、実戦で大きな武器になります!
小学6年生のR君は、「アウトアウトイン」の練習中、相手に動きを読まれてしまう課題を抱えていました。そこで、新しい練習方法を取り入れ、間合いの重要性を学びました。
「間合いを読むことで、プレーの幅が広がった!」と語るR君は、この経験を通じて大きな成長を遂げました。
通常生活でボール練習
日常生活でもボールタッチスキルは磨けます。例えば、小さめのボール(テニスボールなど)を家の中に置いておくだけでも効果的です。机や椅子の下など狭いスペースで触ることで、細かいコントロール技術が身につきます。ただし、安全面には十分配慮し、壊れやすいものから離れた場所で行いましょう。

家庭でできる工夫として、小さなスペースでも動かしながらステップオーバーやシザースの練習が可能です。例えば、親子で行う場合、お父さんやお母さんが軽くボールを転がし、それに合わせて子どもがステップオーバーする方法がおすすめです。
この方法で小学4年生のK君は、自宅の狭い廊下でも練習可能となり、試合中でも狭いエリアでのプレーが安定しました。
小学4年生のK君は、家の中でテニスボールを使った練習に取り組んでいました。その結果、細やかな動きを習得し、試合で大きな成果を発揮しました。
「家での練習が試合で役立つなんて思わなかった!」というK君の喜びが印象的な成功体験となりました。
個人練習のまとめ
個人的に、コーンを置いてその間をアウトサイドをつかったりインサイドを使ったりしてドリブルで通過する練習というのは退屈ですのであまりやりませんでした。
しかし、ボールタッチの練習は絶対に必要ですので、長い時間やらずに短い時間で毎回やるくらいが良いと思います。低学年のうちはやはり夢中になる練習を行い、サッカーを楽しむことを重視してください。

個人練習のメニューをずっと続けてきているけど、最近どうだい?自分なりに上達を感じられる瞬間ってあったかな?

はい!最初は『シザース』が全然できなかったんですけど、練習を続けていたら、試合中に相手を抜けた瞬間があって、すごく嬉しかったです。でも、もっとスムーズに動けるようになりたいと思いました。

その経験は大きいね!やった練習が試合で活かせたというのは、君自身が成長している証拠だよ。次のステップとして、ボールを動かしながらフェイントを練習してみるとさらに応用力がつく。努力は必ず成果につながるから、これからも地道に積み重ねていこう!
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